受験にも知育にも興味ない 東大卒ママの育児日記

受験にも知育にも興味ないズボラな東大卒の二児の母が、おすすめの育児書や絵本を紹介したり、教育についての思いをつらつらと語ります

【育児書】 『小児科医の僕が伝えたい 最高の子育て』 その1

このブログを始めるまで、育児書というものを全く読んだことがなかったのですが、この高橋孝雄先生は、偶然ネットで見かけたコラムがとても良かったので印象に残っていました。

我が家には明確な育児や教育方針とかもなく、自分の行き当たりばったりの人生と同じく、行き当たりばったりに子育てしているしょうもない母親な私です。でも、この記事は、そんな私が普段漠然と思っていたことを小児科医の先生が明言してくれたような気がして、それ以来、何度か読み直すようにしています。(記事はこちら

高橋先生は、慶應義塾大学医学部小児科教授で日本小児科学会の会長も勤める権威。慶應の医学部卒業後、米国マサチューセッツ総合病院小児神経科ハーバード大学医学部の神経学講師も勤めた経験もある。と聞けば超超エリートなお医者様なわけですが、ご自身は、4歳の時に病気で父親を亡くし、母子家庭の生活保護世帯で育った、ということも著書で明らかにしています。

高橋先生が言っていることは、要約してしまうと、

「その子の生まれ持ったものを大切にする」

とか

「お母さんの笑顔や満足感を優先しましょう」

とか、最近巷に溢れる「スピリチュアル系ママチューバーみたいな人」(何それ?)の主張と大差ないのですが、重病難病を抱えたたくさんの子供達を診てきたであろう小児科医から言っていただけると、なんか説得力が違うというか、より心の支えになるというか、、、なんか、権威主義的ですいません(笑)もちろん、中には「スピリチュアル系ママ」の方が信頼できる!という方もいると思いますし、それは好き好きですけどね。

早期教育は意味がない」

とか

「自分の理想像を子供に押し付けない」

とか、頷けるところはたくさんありますが、中でも私が一番共感した部分は

「とにかく自己肯定感が一番大事」

というところ。

子供の育児や教育方法について、突き詰めて考えたわけでなく、ぼんやりと考えただけの私ですが、結局、親が子供を育てる上で最も力発揮できるというか、協力できるところは、とどのつまりこれ、しかないのではないかと。

正直、この他に将来的に子供に必要となる能力、なんて、凡人の私には全く思い付かない。はっきり言って、10年先どころか、5年先の未来だって全く予想つかないんだもん!

英語?もしかしたら中国語の方が必要になってるかもしれないよ?そもそも、コロナでグローバル化がこんなにも後退するなんて、昨年まで誰も思い付かなかったよね?戦争でもあれば、なおさらのこと。大体、英語がネイティブの人と圧倒的な差があるところだけで勝負するのって本末転倒じゃない?

プログラミング?ネット上の流行なんて2、3年スパンであっという間に変わってしまう。この技術なら、この言語ならこの子が大人になっても大丈夫だなんて言えますか?当たり障りのない汎用性の高いものなら、誰でも身につけられるし。

現在では、単に日本の大企業への就職のための指数となっている「学歴」については言う間でもなく、、、

もちろん、「身につけても無駄だ!」と言っているわけではなく、「これなら大丈夫!」とか「これだけは身につけてほしい」と思える能力ではない、ということです。

で結局、もし敢えて「これだけは身につけてほしい」という能力を挙げるとしたら、「自己肯定感」しかないのでは、、、と、安直な結論に落ち着いているわけです。高橋先生は、この他に「意思決定力」と「共感力」を挙げています。もちろん、この2つもとても大事ですが、それすらも「自己肯定感」が無かったら、十分に生かされないのは明らかで、、、やっぱり、「自己肯定感」が一番重要だと。

と言っても、「自己肯定感」をどうやって育むのか、というのがまた問題。

高橋先生は、「遺伝の力」=「その子の生まれ持った力」の重要性も強調していますが、この部分もある程度は子供の特性に左右されそうです。親が後からしてやれることと言えば、、、やはり、「褒める」「その子の良さや本当にやりたいことを肯定する」「愛されていると実感させる」ことぐらいでしょうか。

こういうのも、口で言うのは簡単ですが、実際に日々の育児の中で実践していくのは難しいもの。子供の特性や本当にやりたいことって何?、それをどうやって伸ばしたらいいの?そもそも、幼児期の子供の「やりたいこと」なんて、危ないか、散らかすか、壊すかで、肯定なんてできません!と言いたくなりますよね(笑)子供の興味を持っているものが「これ?」って微妙な感じで、一体、どうやって伸ばせばいいのよ、、、と途方に暮れたり。

なので、特に子供が小さい時には、とにかく「褒める」のが一番確実で手っ取り早いのかなあ、と思います。高橋先生も、この本の中で「褒める」重要性について何度も言及していて、良い言葉だったのでご紹介しておきますね。

日常的に叱り続けると、彼らは耳をふさぐか聞き流します。「叱る」のではなく「教える」ことが基本です。いざというときにひとつ叱るためには、9回はほめておいてください。忍耐強くほめ続けることで、お子さんはひとの話に耳を傾けたいと思うようになります。これは共感力を養ううえでも大事なことです。

お金をかけずに学力を上げるには、とにかくほめること。たとえば、九九の暗唱でなかなか七の段から先に進めなかったとします。そこで叱ったりしないで、完全にクリアーしている二の段、三の段を唱えてもらって、「すごいね」「さすがだね」とほめるのです。そうするうちに、だんだんその気になってくれますよ。テストの点数も、たとえ30点だったとしても、正解したことをほめる。子どもをほめるのに、お金はかかりません。

本の内容自体は、前述の記事と重複している部分も多く、概要だけなら記事を読むだけで十分かな、とも思いますが、理想は分かっていても、毎日の子育てでは高邁な初心はいつの間にか消え失せて、つまらないことで子供を叱ったり、せかしたり、イライラしてしまう、、、というのも、どの親も同じと思いますので、手元に置いてたまに読み返すのもいいかなあ、と。