受験にも知育にも興味ない 東大卒ママの育児日記

受験にも知育にも興味ないズボラな東大卒の二児の母が、おすすめの育児書や絵本を紹介したり、教育についての思いをつらつらと語ります

【育児本】 『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ 最高の読み聞かせ』

 

思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ

思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ

  • 作者:加藤 映子
  • 発売日: 2020/11/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

出ました、またまた海外名門大学×育児書のコラボレーション!ただ、この間読んだ『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』と違って、今回の著者は本当にハーバード大学大学院で教育学を学んだ方なので、「ハーバード」を冠してもまあよしとしましょう(笑)

ハーバードはともかく、「読み聞かせ」を専門に研究してきたという著者が、アメリカと日本の「読み聞かせ」文化の違いについて分かりやすく解説してくれているので、とても興味深く面白かったです。

著者によると、日米での「読み聞かせ」の最大の違いは

「読み聞かせ」の最中に親子での「やりとり」があるかないか

とのこと。確かに、日本では幼稚園や保育園で集団での読み聞かせをさせたり、親との読み聞かせでも「静かに座って集中して話を聞く」という態度を優先することが多い。また、コミュニケーションを重視するというよりは、「言葉をたくさん聞かせて覚えさせる」という方に重点が置かれていると思います。

最近流行りの佐藤ママから始まった「絵本一万冊」を実践している方も多いようですが、ブログなんかを見ると「言葉のシャワーを浴びさせる」とか、「あまり抑揚をつけずに読む」「ページも飛ばさないで読む」方が良い、とかいう意見が多いようです。

しかし、この本で著者はこう言っています。

読書週間で本当に大事なのは「量」ではなく「質」。「どれだけ読むか」ではなく「どう本を読むか(=本の読み方)」です。

ある意味、絵本一万冊プロジェクトと真っ向から対立する意見ですね(笑)

実際、ベネッセ教育総合研究所が2006年に発表したレポートでは「読書量と読解力は比例しない」という結果が出ているそうです。これはちょっと意外でした。

結局、いくら言葉を一方的に浴びせても、その内容をきちんと読み取って自分の思考と繋げるようにできなければ、真の意味での読解力はつかない、ということですね。もちろん、幼児期の言語習得に一定の「量」は必要ですし効果もあると思います。ただ、とにかく「絵本一万冊」と、子供にさえぎらせないようなオーラを出して血眼になって淡々と本を読んでいるようなママは、少し再考した方が良いかな、と思います(笑)

で、「質」を高めるための読書法として、この本で薦められているのが「ダイアロジック・リーディング」というものです。この「ダイアロジック・リーディング」の具体的手法として【PEER】を挙げています。

 【PEER】

  •  Prompt 促進 本について何か発言するように促す
  • Evalute 評価 子どもの発言について(肯定的に)評価する
  • EXpand 拡張 子どもの発言を拡張する
  • Repeat 反復 子どもの理解を促進させるために反復する

うわー、こういうのめっちゃアメリカビジネス式っぽくて好きじゃないですが(笑)

でも、よく見てみると、大して難しいことではないんです。Evaluteというのは評価、と訳すと分かりにくいですが、Value(価値)をつける、という意味なので、要は褒めたり相槌をうったりしてあげること。つまり、子どもが色々言うように促して、褒めたり繰り返したり広げたりしてあげる、ということ。さらに、「ダイアロジック・リーディング」の「4原則」もあげていて

  • 読み聞かせ時における発言の主導権を少しずつ子どもに譲ること
  • 発言したくなる雰囲気をつくるために、子どものことばをしっかり受け止めること
  • プラスアルファの情報をさりげなく足していくこと
  • 子どもが楽しむことを大前提に「お勉強」の雰囲気を完全に消すこと

と言っています。絵本を「読み聞かせる」というよりは、絵本を使って子供とコミュニケーションをする、とイメージすれば自然とできるのではないでしょうか。

いやー、このやり方だと、「絵本一万冊」プロジェクトの進捗はだいぶ遅れますね(笑)これだと一冊一冊の時間がかなり増えます。でも、私も絵本はこうやって読む方が好きですね。と言うか、まあ実際、小さい子どもに合わせていたら「一方的な読み聞かせ」なんてできなくないですか?子どものタイプにもよるとは思いますが、私は下の男の子が初めの頃は全然座って聞いてくれなかったので、自然とこの「ダイアロジック・リーディング」に近い感じになりました。

「東大卒ママの子供に絵本をえらぶポイント4つを紹介」という記事は、この本を読む前に書いたのですが、子どもの興味や広がりを優先する、ところなど、共通する点が結構あるなあ、と感じました。

本の後半では、具体的な絵本に沿って、どんな声かけや質問をしていけば良いかを詳しく例示してくれているので、分かりやすいです。この通りにやる!というよりは、これを読んで具体的なイメージを掴んでから、子どもの好きな絵本に合わせて試してみればいいのではないかと思います。

ただ、紹介されている絵本も、鼻呼吸の大切さを教えるための医学系絵本『あいうべええほん』とか、プログラミングの考え方を学べる『ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング』など、知育的に面白そうなものがあったので、参考にしたいと思いました。

また、【PEER】をやりやすくなるための「7つの問いかけ」というのを紹介しているのですが、この中に「決まった答えのないやりとり」というのがありました。この「決まった答えのないやりとり」=「イエス/ノーで答えられないオープンな質問をする」というのは、ボーク重子さんの『「全米最優秀女子高生」を育てた教育法 世界最高の子育て』の中でも何度か出てきました。意識的に「オープンな質問をする」ということで、自分で考える力、そしてそれを説明させる力をつけさせる、ということなんですね。日本で子育てしていると、意識しないとこういうやりとりをする機会って少なくなってしまいがちなので、ここは「読み聞かせ」というレベルだけでなく、日常的に意識したいところだな、と改めて思いました。