受験にも知育にも興味ない 東大卒ママの育児日記

受験にも知育にも興味ないズボラな東大卒の二児の母が、おすすめの育児書や絵本を紹介したり、教育についての思いをつらつらと語ります

【育児本】 『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』 ①

 

 以前、ネットでこの方の記事を読んで気になっていました。タイトル通り「高校も塾も通わせずに3人兄弟が京都大学に合格した」と言う宝槻家のお話。ネットの記事でも、漫画や映画、テレビ特番などを徹底的に観て学習した、と言う独自の学習方法が取り上げられていて、面白いなあ、と思いました。私的には、塾と有名私立学校という超スタンダードな方法で3兄弟を東大に合格させた「佐藤ママ」より、こちらの方がよっぽどすごいしユニークだし、勉強法としても参考にしたい、と思ったのを覚えています。

親を全面に押し出してくる「佐藤ママ」とは違って、こちらの本の著者は「強烈なオヤジ」ではなく、京大に合格した長男の方。今は教育関係で起業をされているだけあって、前半は宝槻家の体験談や勉強方法などが中心ですが、後半は、これからの家庭教育についての考え方、進め方について語られています。

後半は後半でとてもためになりますし参考になるのですが、やっぱり強烈に印象的なのは前半の方(笑)と言うか、宝槻家の具体例を挙げてからの後半の一般論・抽象論が説得力を持ってくる、という構成ですね。

ネットの記事で読んだ時にも特に印象的だった学習法、それは

大量のメディアを教材にする ということです。

「まんが日本の歴史」や「まんが世界の歴史」『三国志』あたりは、まあ普通ですよね。サイエンス雑誌『ニュートン』に、漫画『おーい!竜馬!』、それからNHKスペシャル大河ドラマ、「プロジェクトX」「クローズアップ現代」「サイエンスZERO」「映像の世紀」「生命」「新・電子立国」といったテレビ番組、映画に至っては黒澤作品に加えて『ガンジー』『椿三十郎』『ニュー・シネマ・パラダイス』『レインマン』『アポロ13』に『スターウォーズ』など、もはや「これが勉強?」というジャンルの広さです。そうそう、「信長の野望」というテレビゲームも挙げられていました。

そして、もう一つ大事なのは、このような大量のインプットをした後、クイズを出したり、感想を話し合ったり、プレゼンしたり、という「アウトプットの機会」を作ること

こうした家庭教育を通じて「探究心(物事への興味関心を深めたいという気持ち)」「集中力」「記憶力」そして「基礎教養」が高められた、と著者は言っています。こうしたものが高校生になっていざ受験、となったとき、自主的に勉強する意欲と方法の大きな後ろ盾になるのではないでしょうか。

 

高校も塾も通わずに大学検定とオヤジが思いつきで開校した「プラトン塾」だけで京大合格を果たした受験勉強法もユニークです。

英語はひたすら音読と暗唱を繰り返す

国語は名文や好きな文章をとにかく書き写す

数学は歴史を織り交ぜながら立体的に公式を理解した後は、問題集を決めて何度も同じ問題を繰り返し解きまくる

というもの。効率良く点を取るための受験法とは全然違いますが(笑)ただ、私自身の高校時代の勉強法とかなりかぶる点も多くて納得しました。

国語については、とにかく得意科目ですし、「わざわざ勉強した」という記憶が全くない。良く言われるように、現文は読解力があれば自然とできるようになりますし、古文や漢文については、受験で取り上げられるパートはかなり限定的なので、有名作品の有名部分(いわゆる名文)を抑えておけば十分でしょう。

英語の勉強法が一番参考になる、というか、なるほど、と思わされました。この「音読と暗唱を繰り返す」のは「シュリーマンも実践した方法」だそうです『令和の中学受験』の記事で書きましたが、私が高校時代通っていた唯一の塾が英語の塾で、この英語塾は今思うとかなりレベルの高いものでした。母親と同世代の中年女性が一人で経営している塾で、この先生が津田塾出身のかなり変わった方で(笑)、まず何より「自分が勉強が大好きでたまらない」という感じでした。で、この塾の学習方法が、2年生までは熟語や構文を「音読と暗唱」で徹底的に叩き込み、いざ3年生になると、ひたすら長文を読みまくる、というスタイルだったのです。それも、受験用の長文問題、ではなくて、まずジョージ・オーウェルの『動物農場』を読み、3年生の夏休み以降は東大教養学部で使っているテキストを読みます。音読して訳す、の繰り返し。ジョージ・オーウェルの『動物農場』はかなりの長さの小説なので、20人くらいで分担しながら読んでいくと何ヶ月かかかります。先生お気に入りの『東大教養学部の英語テキスト』は、ゲーム理論から宇宙工学、ファッションや文芸まで、とにかく色んな分野の小論文やレポート記事なんかを集めたもので、日本語で読んでも良く分からないような専門用語がいっぱい出てきます。その専門用語の解説も英語で書かれているので、それを理解しつつ読み進めていく。「勉強大好き」の先生は、「まあ〜、なるほどー」とか「面白いですねえー」とか、いちいち感動しながら楽しそうに読み進めていくのですが、いかにせん、高校生にはかなりハイレベルな内容の上に、なんとなく受験と直接関係が無さそうなので、理系を目指す子を中心に、夏休み以降は徐々に脱落者も増えていきました(笑)でも、私は元々読書が好きだったので、この塾の3年生の授業はとても面白かったですね。文系受験では、英語の学力がかなり合格のキーとなるので、この「音読と暗唱を繰り返す」という勉強法は、かなり有効なのかな、と思います。幼児の英語教育も、今はやたら「会話重視」とか言いますが、結局たくさん「音読」させる方が効率良いのではないかな、と思っていて、我が子にも取り入れたいな、と密かに思っています。

数学については、私は高校になってから全くやっていないのでコメントできません(笑)ただ、理系でバリバリ数学をやりたい、というタイプは(自分とかけ離れていて)良く分かりませんが、宝槻家の数学勉強法は、文系の人には良さそうだな、と思いました。文系の人が数学をやっていてしんどいのは「文字ではないものを暗記する」「それを使って応用する」という部分です。前者については、歴史を交えながら覚えることで「意味があるもの」として覚えることで克服できる。「意味があるもの」として覚えたものを、何度も同じ問題を解くことで「パターン化する」できるので、自然と(受験に必要なレベルの)応用力はつく、という構図です。