受験にも知育にも興味ない 東大卒ママの育児日記

受験にも知育にも興味ないズボラな東大卒の二児の母が、おすすめの育児書や絵本を紹介したり、教育についての思いをつらつらと語ります

【おすすめ絵本】 『チトくんとにぎやかないちば』

『チトくんとにぎやかないちば』

文:アティヌーケ 絵:アンジェラ・ブルックスバンク 

訳:さくまゆみこ 出版社:徳間書店

 

 

カラフルで生き生きとしたアフリカの市場に旅した気分が味わえる楽しい絵本

《概要》

小さなチトはお母さんにおんぶされて、賑やかな市場にやってきます。キョロキョロしているチトに、バナナ売りのアデさんがバナナを6本くれました。チトは一本食べて残りはお母さんが頭に載せたカゴへぽん。でも、お母さんは買い物に夢中で気がつきません。バナナの次はオレンジ、その次はお菓子、とうもろこしに、ココナッツ、、、カゴの荷物はどんどん増えていきます。お母さんがタクシーに乗って帰ろうとすると、あらびっくり!

《おすすめタイプ》

3歳くらいから。男の子でも女の子でも。食べ物やお買い物に興味がある子にもぴったり。

《おすすめポイント》

子どもにとって絵本は無限大の世界。身近なものへの興味から世界を広げていくのも楽しいけれど、絵本だからこそ、普段は目にしない世界を大胆に味あわせてあげたい、とも思います。世界の色々な国の風物、自分とは違う人種や生活があるんだ、という実感を小さい頃から少しずつ身につけて欲しい。

これは、西アフリカのナイジェリアで育ったアティヌーケとアンジェラ・ブルックスバンクによって作られた楽しい絵本です。

ナイジェリア、というのは、子どもだけでなくお母さんにもあまり馴染みがない国かもしれませんが、「お母さんと一緒にお買い物に行く」という、子どもが想像しやすいシチュエーションなので、とっかかりやすいと思います。絵も、とてもカラフルで市場の様子が生き生きと描かれているので、子どもの目を惹きやすいのも好きなところ。

お米や野菜が大きな樽やかごに入れてそのまま売られていたり、ヤシ油や唐辛子やココナッツ、カラフルなサンダルや服が山積みされた露店、バイクタクシーなどなど、、、子ども達が知っている「お買い物」とは全く違う風景、食べ物、習慣などに、子どもから質問攻めにあうのは必至です(笑)

「お買い物かごを手に持つんじゃなくて頭に乗せてるんだね」「ココナッツは何に使うのかな」「自分の車で買い物に行くんじゃないの?」「バイクにたくさん乗って危なくないのかな?」自分たちにとって当たり前の買い物風景と違うところを挙げながら、子どもたちの興味と世界をどんどん広げて逝けます。

外国のお話に触れた時には、「ところで、この国はどこら辺にあるのかな?」と「せかいちずえほん」で確認するのも、我が家の大事な日課です。国や地名が出たら、地図で確認する、というのを繰り返していると、絵本だけでなく、テレビや学校や幼稚園で出た地名や国名を、自然と子どもが「どこにあるのかな?」と興味を持つようになってくれます。学校に入ってからただ暗記だけの地理を勉強するのは本当につまらないですよね。小さい頃から、絵本や日常生活と地図を自然に繋げていくことで、その延長線上に自分たちと同じ人間や生活や歴史がある、ということを想像できるようになってほしいな、と思います。

 

【おすすめ絵本】 『きょうはなんのひ』

 

きょうはなんのひ?

作:瀬田貞二  絵:林明子  出版社:福音館書

名作揃いの明子さん絵本の中でも、特にお気に入りの一冊。ストーリー絵もバランス良く楽しめる。

《概要》

まみこは、ある朝、学校に行く前に「おかあさん、きょうはなんのひだか、しってるの?しーらないの、しらないの、しらなきゃかいだん三だんめ」と歌って行ってしまいました。お母さんが見つけた階段三段目の手紙から、順番に家中に隠された手紙を辿っていくと、、、最後には素敵なプレゼントが!実は、お父さんとお母さんも、まみこに素敵なプレゼントを用意していました。今日は、お父さんとお母さんの10回目の結婚記念日だったのです。

《おすすめタイプ》

少し長いので5、6歳から。読む練習になるので、小学校低学年が自分で読むのにもおすすめです。

《おすすめポイント》

林明子さんの絵本は本当に名作揃い。初めて赤ちゃんが出会う絵本シリーズの中には是非是非入れて欲しい『おつきさまこんばんは』や『おててがでたよ』。もう少し大きくなったら『はじめてのおつかい』に『こんとあき』、筒井頼子さんとの共作では他に『あさえとちいさいいもうと』のシリーズもおすすめ。どれも大好きで甲乙つけ難いのですが、一番のお気に入りを挙げるとしたらこれ!『きょうはなんのひ?』です。

この絵本は自分が子供の時のお気に入りで、うちの子供たちにも読み聞かせたらすぐに気に入ってくれました。自分は好きだったのに、親になって読み聞かせてみたら子供の反応イマイチ、、、なんてこともよくあるあるですが、これは珍しく親子揃ってのヒット。

何が好きってねー、、、全部です。

おかあさんが順番に手紙を探していくところもワクワクするし、お家の中を探検するのも楽しいし、綺麗な小箱の入子になっていて宝石みたいな南天の実とりゅうのひげの玉が出てくるプレゼントも素敵だし、おとうさんが連れて帰ってくるワンちゃんもとびきり可愛いし、最後の最後で手紙を全部繋げるとメッセージになってるという仕組みも面白い。

手紙を探しながら、おかあさんが応接間のピアノを弾いたり、まみこのお気に入りの絵本『マドレーヌといぬ』を開いたり、お庭の金魚の池をすくったり、というディティールの楽しさ。順番に手紙を辿っていく謎解きのようなストーリーの面白さもあるし、何枚もの手紙を繋げて読む仕掛けや、最後に「お父さんとお母さんは、ほんとうに知らなかったのでしょうか」なんてメッセージで考えさせるところは、結構高度な読解力が必要とされます。本当にバランスの良い仕上がりというか、大人になってから読んでみると、子供が長く楽しめる内容の絵本になっていて、改めて感心させられました。

「SWEET TEN DIAMOND」なんてキャッチコピーや「サプライズ」なんて言葉が使われるずっと前からあったこの絵本(いや、そのキャッチコピー自体も古いな、、、)。結婚記念日を子供がお祝いしてくれて、そして、子供への素敵なプレゼントでお返しする、そういうやりとりが温かくて素敵だなあ、と思います。子供の頃読んだ時には、いつか、このまみこみたいな企画をやってみたい!って思ったものですが、実行に移すには中々の企画力と行動力が必要で、結局実現しなかったなあ。。。

大好きなおとうさんとおかあさんのためにまみこが一生懸命作った手紙やプレゼント。その企画に嫌な顔一つせず半日つきあってあげるおかあさん。そして、自分たちの結婚記念日のためにおとうさんが企画した素敵なサプライズ。家族みんなのお互いを思いやる気持ちと心のゆとり、、、結婚10年を過ぎた自分としては色々考えさせられる作品でもあります(笑)

 

【育児書】 『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』 ②

 

 

前回の記事の続きです。

一番なるほど、と思ったのは、小さい子どものカンシャクや興奮して泣き止まないような時に親がどう対応するか、と言うところです。

かつて私もそうでした。しかしよく反省してみると、私が暇でテレビを見たり、お茶を飲んだりしているときは、比較的ゆったりとしているその泣き声につき合い、一方、台所で忙しいときなどは、突き放しがちでした。

やがて、前者の時は早く落ち着き、後者のときは手を休めて腰をおろして聞いてやっても、なかなか泣きやまないことに気づきました。

そこで、私は時間のあるときに、「泣きやむのが先よ」「泣きながらものを言ったら、聞いてやらん」などと言って、しゃくり声を出しても「もっと落ち着け」とまだ話をさせませんでした。

こうして、私の受け取り方を、時と場合で差のないよう心がけることで、息子たちのカンシャクは徐々になくなりました。

 

これは、本当にその通りだと思います。幼児の大泣きやカンシャクにはほとほとうんざりしますが、《地団駄踏んでのくやしさや、わめき立てに、親が同調して興奮してはならないのです》。でも、これは口で言うほど優しいことではなくて、特にいつも親に時間や精神的余裕があれば良いですが、しなくてはならない家事の最中だったり、外出中で他の人の目が気になる時など、どうしても親もイライラしてしまいますよね。カヨ子ばあちゃんも《ここは、親の精神修養がいる場面です》と言っています。でも、《自分の感情も自分で始末をつけなければならない》ことを子どもが体得しない限り、根本的な解決にはならない。毎回完璧に、と言うのは難しいとは思いますが、親が自分の感情に左右されずに、子どもが自分の興奮に自分で対処できるまで待ってあげることで、最終的には親も楽になるのだ、とぐっと堪えることが必要だな、と思いました。

それから絵本の読み方。これは、比較的男の子に多いタイプかもしれませんが、図鑑とか自分のこだわりで同じ絵本しか読まなくて、ストーリー性のある絵本に全く興味を示さないような場合。カヨ子ばあちゃんは、長男が読みたがる車の図鑑では、子どもに車の特徴を説明させてそれを自分が当てる、と言う遊びをしたり、次男に何度も読ませられる同じバスの絵本では、自己流のストーリーを作って挿入して聞かせたりしています。まさに、『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ 最高の読み聞かせ』にある、絵本を読みながら親子でやりとりをしたり、子どもにアウトプットをさせる、という読み方ですよね。物語の絵本でなくても、例え図鑑や「またこれ?」と母をがっくりさせるような絵本であっても、親の工夫次第でやりとりやアウトプットの機会はいくらでも作れるんだなあ、と感心しました。

この本は、具体的なエピソードも豊富ですが、ちょっと脳科学的な話になると、ちょっと抽象的ですぐには分かりづらいところもあります。

例えば、幼児は目にとまった部分だけでは、全体像を想像できないので、ハサミの柄がとても特徴的で、親はその柄が目にとまればハサミだ、と予測してすぐに探し出せるのに、子どもにはそれができない。

部分から全体、全体を部分に分けるなどという高等な認知の働きも、このなにげない日常のやりとりから学び取っていきます。

「どうして見えないの」ではなく、見えているものからは、想定できない未熟さがあると考えて、ものを探し出す条件のヒントを与えてあげてください。

 

或いは、小さい頃から、展開図や間取り図などに触れさせ、色々な空間の感じ方を磨くのが大事、と言っている部分。

方向感覚などは、幼児のころにこの立体感を置き換えることが身につけば、高低が変わり、東西が変わっても、頭の中でうまく整理して、いまいる自分の向きから関連させて正解を出せるはずなのです。

数学的なセンスを身につけるために、単に数字を暗唱させるのではなく、《1と2の違い、特に「0(ゼロ)」の概念をどのようにつかませようかと苦心》し、《会話の中にも数を入れるように心がけました》

計算などできなくても、お菓子を分けるときに3人だと分けにくいとか、大きそうなもの一つと小さなもの二つと、どちらが得かなど、直感的にわかることの方を高く評価しました。

この辺りは、超文系の私がとても認知能力として弱い部分で、サラッと読んだだけでは、中々実践が難しいなあ、と思いました。繰り返し読んで、参考にしたい部分です。

 

 

【育児書】 『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』 ①

 

 前に読んだ『男の子の一生を決める0歳から6歳までの育て方』で、科学的な話が全然出てこなかったので、「脳科学おばあちゃん」として有名な久保田カヨ子さんのこちらの本を読んでみました。

しかーし。

結論から言うと、この本を読んでますます

男の子向けの育児法とか限定する意味ってなくない? 

って気持ちが強くなりました(笑)

男の子は科学的にこうだから、なんて話は一切出てきません。この本のタイトルが「男の子の育て方」となっているのは、ただ単に、この著者の子どもが二人とも男の子だった、ことと、まえがきであるように、著者が応じている子育て相談で《総じて女の子より男の子に対する育児の悩みが多くなって》きたこと、の2点の理由からです。なので、内容としては全くもって男の子に限定する必要のないことばかりでした。

ただ、この本が科学的に男子向けに書かれた本ではないからと言って、内容自体が全く科学的でない、と言っているわけではありません。中身としては、精神論あり、科学的分析もあり、結構興味深い内容でした。ただ、結構幼児期に磨くべき特質や育児法に触れている部分が多いので、子どもが乳幼児の頃に読んだ方がいいですね。我が家はちょっと遅きに失した感あり、です(笑)

・子どもが0〜2歳くらいの乳幼児のママ

・子どもが男女問わず、言語発達が平均より遅い、言語コミュニケーションが取りにくい、などの点で悩んでいるママ

には、良い本だと思います。前に男の子の一生を決める0歳から6歳までの育て方』の記事でも書いた通り、男の子の子育てで苦労している場合、言語コミュニケーションがあまり得意でないケースが多い(科学的根拠はなくあくまで主観です)ので、発想の転換に役立つのではないかな、と思いました。

ただし

さすが、カヨ子ばあちゃん、私たちの母親よりさらに上の年代ですので、かなり「昭和感」は否めません。全体としては参考になる話が多いですが、こどもの喧嘩の話やしつけ(体罰)の話などは、「ちょっとイマドキ無理、、、」って感じのところもありますので、その辺りは加減して読みましょう(笑)

例えば、長男がわがままな近所の子とケンカして、顔にあざをつくって泣きじゃくる子を連れて相手の親が怒鳴り込んできたとき

「あなたのお子さんは、うちの子に黙ってなぐられていたのですか、うちの子は抵抗もしないのになぐったと言うのですか。もしそうなら、お宅の育て方か、お子さんに問題があるのと違う?」

 と一気にまくしたてて、絶対にあやまりませんでした。

 

 

言いたいことは分かりますが、今やったら、炎上してしまいそうです(笑)もちろん、安易に親が謝るのはよくないですし、本当は子どもの喧嘩に親が介入なんて、よっぽどのことが無い限りしない方がいいに決まってますけども、、、昨今は親のマインドが変わってきてますから、あまりに事を荒立てて、親が必要以上に心労を背負い込んだり、子どもが居づらい雰囲気になってしまうのもどうかと思います。。

昭和なところはさておき、五感や体感を大事にして育児する、と言うところは、とても参考になりました。子どもの歩くフォームをよく観察して、左右の違いなどが無いか気をつける、非利き手についても、非利き手の上手い使い方を幼児自身が開発していくのだと考えて、ご飯を食べたり絵を描いたりする時も必ず非利き手の方で食器や紙を押さえたり添えたりするように注意する、などといった点。それから、嗅覚を磨いたり、遊びの中に「目隠しあて」など感触を利用したものを取り入れるよう心がける、といったところは、『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』の記事でも書きましたが、うちの育児や遊びには欠けている要素なので、参考にしたいな、と思いました。

 

 

 

【おすすめ絵本】 『そらまめくんのベッド』

そらまめくんのベッド』 

作:なかや みわ  出版社:福音館書店

 

 

発想と着眼点が面白いなかやみわさんの絵本の中でも特に人気のシリーズ。

《概要》

そらまめくんのベッドは、雲のようにふわふわでわたのように柔らかい。お友達のえだまめくんやグリーンピースのきょうだいたちが「そのベッドでねむってみたいな」と言っても、そらまめくんは「だめだめ」と使わせてくれません。ところがある日、その大事なベッドが無くなってしまって、、、お友達は親切にベッドを貸してくれますが、そらまめくんには中々大きさが合いません。やっと見つかったベッドには、なんとうずらの赤ちゃんが隠れていました。

《おすすめタイプ》

3歳くらいから。男の子でも女の子でも楽しめます。

《おすすめポイント》

なかやみわさんの絵本は比較的新しい絵本ですが、あっという間に人気シリーズになりました。「くれよんのくろくん」「どんぐりむら」などのシリーズも面白く、うちの子供たちも大好き。どれも面白いのですが、私が個人的に一番好きだったのがこれ「そらまめくん」シリーズです。

「おまめ」が出てくるお話はたくさんあるけれど、おまめの「さや」をここまでフォーカスしたお話はかつてないのではないでしょうか(笑)初めて読んだ時、「なるほど、そう来るか!」と感心してしまいました。そらまめって形も面白いですが、さやの中のわたがまたなんとも面白いですよね。

子供はあまりそら豆なんて食べないので、まずはそら豆を実際に見るところから始めます。で、他のお豆も色々比べてみて、なるほど、豆の形や大きさもさやの様子もそれぞれに違うね、と話が広がる。そんなきっかけからお豆に興味が出て苦手なお豆も食べられるように!!、、、なんて、うまくはいかないですが(笑)、少しでもお豆に興味が出て身近なものになってくれるだけでも良いかな、と思います。ちなみに、そらまめ自体に興味を持ったら、昔懐かし、漫画日本昔話に「空豆の黒い筋」という超絶くだらない話がありますので、是非観て観てください(笑)

なかやみわさんの絵はキャラクターがとてもコミカルで親しみやすいのと、細部まで楽しめる仕掛けがしてあります。この本でも、おまめくんたちの表情がとても豊かなのと、おまめくんたちのお家や原っぱの周りの虫や植物など細かいところまで描きこんであるのが楽しめます。絵が面白いのは、「どんぐりむら」シリーズが一番かもしれません。

見た目の面白さやとっかかりやすさだけでなく、ストーリーが子供の心をよく捉えているのも、なかやみわさんの絵本の良いところ。この本であれば、最初はそらまめくんが自分の大事なベッドをお友達に貸してあげないのに、困ったそらまめくんにお友達がベッドを貸してくれる、そういう過程を経て、そらまめくんの心境がだんだん変化していくドラマがよく描かれています。大事なものを「貸して」と言われて「やだ!」と言ってしまう心理も、でも、それではお友達同士で共有する楽しみが広がらない、という葛藤も、小さい子なら誰でも体験したことがあるはずです。

【おすすめ絵本】 『14ひきのこもりうた』

14ひきのこもりうた』

作:いわむら かずお 出版社:童心社

 

 

どこか懐かしい家族の温もりを感じられる「14ひき」シリーズ

《概要》

ねずみの家族は、10匹の子供にお父さんとお母さんとおじいちゃんとおばあちゃんの14ひきの大家族。今日も、夕焼けに染まる中、お父さんたちが帰ってきて、お風呂に晩御飯、最後は子守唄を歌って、お話をしたり、ご本を読んだり、14ひきのいつもの1日が終わります。

《おすすめタイプ》

性別を問わず3歳くらいから。

《おすすめポイント》

ねずみの大家族を描いた「14ひきの」は大人気のシリーズ。他にも、「14ひきのあさごはん」「14ひきのおひっこし」「14ひきのやまいも」などたくさん作品があります。

中でも、この『14ひきのこもりうた』は、本当にこのねずみ大家族のごく普通の一日の終わりを描いているところが、私のお気に入りです。大きなイベントも事件も何もない。でも、夕闇が迫ってくるお風呂の中でおじいちゃんの背中を流したり、ご飯の後でみんなで今日1日のお話をしたり、寝る前におトイレに行って歯磨きをしたり、そう言う一つ一つの行動に、繊細な感覚や季節感や時間の流れ、みたいなものが生きています。

今はおじいちゃんおばあちゃんも一緒に、こんな大家族で暮らしている方が珍しいでしょう。昔の日本では当たり前だったこんな光景が、今の子供には返って新鮮に映ると思います。『ちいさなねこ』 『ものうりうた』の記事でも書きましたが、古い昭和時代を感じさせる絵本って結構大事で、「パパやママやおじいちゃんおばあちゃんが小さかった頃の時代」に興味を持つことが、最初の「歴史の発見」に繋がるのではないか、と思っています。

柔らかな色調の絵もとても温かくて心が和むし、細部まで楽しめるところも好き。動物好きな子は、可愛いねずみに興味を惹かれることでしょう。それから、この作品の良いとっかかりは、なんといっても「こもりうた」です。

最後におばあちゃんが歌ってくれる子守唄。もちろん、他の絵本に出てくる歌のように、お母さんが出鱈目に節をつけても構いませんが、この本は、ご丁寧に見開きにその子守唄の楽譜を載せてくれています。ごく簡単な曲なので、ピアノなどを習っているお子さんとは一緒に曲を弾いてみても楽しいかもしれない。私のように音楽が苦手で、楽譜を見ただけではちょっと曲の感じが掴めない、、、と言う方には、今では便利なYouTubeの動画もあります(笑)音楽や歌は、絵本に興味を惹く大事なとっかかりになりますから、ぜひ、お子さんと一緒に聴いてみてはいかがでしょうか。

 

【育児本】 『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』 ②

 

 前回の記事の続きです。

この本で紹介されているのは単なる勉強法だけではありません。子ども時代に遊びの主体性やいろいろな人との出会いを大切にする、といった点も強調されています。3兄弟がわりばしピストルやミニ四駆の改造から、徐々にレベルをあげ熱中していったロボットづくり、家族全員で試行錯誤を重ねたキャンプ、ユニークな禅寺の和尚との出会いなど、面白いエピソードが満載です。そこには、子ども本来の好奇心や探究心を伸ばし、学習ということを多面的に捉えて知識を積む工夫があります

この教育方針はとても良いと思う反面、親の立場から実践するには中々難しいなあ、と感じる部分もありますね。著者は家庭教育の大切さを強調していますが、そうなると、問われるのは結局、お父さんお母さん自身の学ぶ姿勢であり、教養力になってくるからです。この本の「強烈なオヤジ」については、学歴や職業などについては具体的なことは一切書かれていませんが、教育産業に関わっていることや、思いつきにしろ自前で高校生向けの塾を開講できるところからして、ものすごく教養がある方だと推察できます。

大量のメディアを与えて教材にしたり、子どもの自主的な興味や好奇心を伸ばすように遊びの中で学ぶ機会を取り入れていく中で、親が気をつけるポイントとして以下のようなことが挙げられています。

・目利きとなって、最適な教材とその順番を選んであげる

・入門編は特に吟味をする

・ちょっと背伸びすれば手が届くというところに難易度を設定する

これを実践するためには、親自身が何よりそれらの教材や学習の内容やレベルや難易度について熟知している必要があるのです。

だから、最終的には、「子どもをどうするか」ではなくて、まず親である「自分自身が何をどう学ぶか」ということに集約されていくのかもしれません。自分自身、勉強が大嫌いで必要性を感じてこなかった親が、いくら子どもに「勉強しなさい」と言ったところで、説得力がないのは至極当然のことです。逆に、『「灘→東大理Ⅲ」の兄弟を育てた母の秀才の育て方』の「佐藤ママ」然り、この本の「強烈なオヤジ」しかり、私の高校時代の英語塾の「勉強大好き」な先生然り、常に自分が学ぶことに積極的な大人の姿を見て、子どもは自然と勉強の楽しさを実感するようになります。

だからと言って、「自分は勉強が好きじゃないから」とか「高学歴じゃないから」という理由で、親が諦める必要は全くないと思います。この本の著者が言っているように

一番シンプルな方法は、まず親であるあなたが「自分が素晴らしいと思っているものに、子どもをどうやったら出会わせることができるか?」という問いを立ててみることです。理科・社会・偉人伝でなくても、音楽やスポーツなど対象はなんでもいいと思います。子どもと共有したいものを思い描いてみれば、何を学ばせたいかは自然と見えてくるはず。

別に学歴や受験に直結するような知識や勉強だけが大事なわけではないので、他に素晴らしいと思っているものがあれば、それを子どもに薦めてみれば良い。もし、自分はあんまり勉強してこなかったけれど、大人になってからそれが大事だと気づいて子どもに薦めたいのであれば、まず自分が子どもに近いレベルで一から勉強することを始めてみたら良いのではないか、と思いました。それこそ、大量のメディアを使って自分の教養を底上げしていくと良いのではないかと思います。

付き合ってくれている、共有している、という感覚はやっぱり子どもにとって嬉しいもの。

この部分を読んでから、やっぱりそうか、と思い、思いついて買ったまま放置していた『まんが日本の歴史』を自分で読み始めました。私自身、子どもの頃に自宅にあった『まんが日本の歴史』を繰り返し読んで歴史好きになった記憶があります。ただ、買った時には上の子が小2で、まだちょっと早かったのか、「むずかしい」と言ってほとんど読みませんでしたが、まあ、いつか興味を持ってくれたらいいな、と思って子ども部屋に置いておいたものです。それが、私が黙って読み始めると、それをみていた娘も思い出したように読み始めたのです。細かい解説なんかは飛ばして読んでいるようですが、初めは面白そうなドラマ性のある部分だけ読んでいても全然構いません(私もそうでした)。私自身、歴史は結構得意な方なので、「今更小学生向けの『まんが日本の歴史』なんて」と思ってやや軽んじていましたが、改めて読むと、忘れていること、うろ覚えだったことが分かったり新しい気づきがあってやっぱり、親が興味を示すものには子どもは自然と反応するんだな、と実感した瞬間でした。