受験にも知育にも興味ない 東大卒ママの育児日記

受験にも知育にも興味ないズボラな東大卒の二児の母が、おすすめの育児書や絵本を紹介したり、教育についての思いをつらつらと語ります

【おすすめ絵本】 『そらまめくんのベッド』

そらまめくんのベッド』 

作:なかや みわ  出版社:福音館書店

 

 

発想と着眼点が面白いなかやみわさんの絵本の中でも特に人気のシリーズ。

《概要》

そらまめくんのベッドは、雲のようにふわふわでわたのように柔らかい。お友達のえだまめくんやグリーンピースのきょうだいたちが「そのベッドでねむってみたいな」と言っても、そらまめくんは「だめだめ」と使わせてくれません。ところがある日、その大事なベッドが無くなってしまって、、、お友達は親切にベッドを貸してくれますが、そらまめくんには中々大きさが合いません。やっと見つかったベッドには、なんとうずらの赤ちゃんが隠れていました。

《おすすめタイプ》

3歳くらいから。男の子でも女の子でも楽しめます。

《おすすめポイント》

なかやみわさんの絵本は比較的新しい絵本ですが、あっという間に人気シリーズになりました。「くれよんのくろくん」「どんぐりむら」などのシリーズも面白く、うちの子供たちも大好き。どれも面白いのですが、私が個人的に一番好きだったのがこれ「そらまめくん」シリーズです。

「おまめ」が出てくるお話はたくさんあるけれど、おまめの「さや」をここまでフォーカスしたお話はかつてないのではないでしょうか(笑)初めて読んだ時、「なるほど、そう来るか!」と感心してしまいました。そらまめって形も面白いですが、さやの中のわたがまたなんとも面白いですよね。

子供はあまりそら豆なんて食べないので、まずはそら豆を実際に見るところから始めます。で、他のお豆も色々比べてみて、なるほど、豆の形や大きさもさやの様子もそれぞれに違うね、と話が広がる。そんなきっかけからお豆に興味が出て苦手なお豆も食べられるように!!、、、なんて、うまくはいかないですが(笑)、少しでもお豆に興味が出て身近なものになってくれるだけでも良いかな、と思います。ちなみに、そらまめ自体に興味を持ったら、昔懐かし、漫画日本昔話に「空豆の黒い筋」という超絶くだらない話がありますので、是非観て観てください(笑)

なかやみわさんの絵はキャラクターがとてもコミカルで親しみやすいのと、細部まで楽しめる仕掛けがしてあります。この本でも、おまめくんたちの表情がとても豊かなのと、おまめくんたちのお家や原っぱの周りの虫や植物など細かいところまで描きこんであるのが楽しめます。絵が面白いのは、「どんぐりむら」シリーズが一番かもしれません。

見た目の面白さやとっかかりやすさだけでなく、ストーリーが子供の心をよく捉えているのも、なかやみわさんの絵本の良いところ。この本であれば、最初はそらまめくんが自分の大事なベッドをお友達に貸してあげないのに、困ったそらまめくんにお友達がベッドを貸してくれる、そういう過程を経て、そらまめくんの心境がだんだん変化していくドラマがよく描かれています。大事なものを「貸して」と言われて「やだ!」と言ってしまう心理も、でも、それではお友達同士で共有する楽しみが広がらない、という葛藤も、小さい子なら誰でも体験したことがあるはずです。

【おすすめ絵本】 『14ひきのこもりうた』

14ひきのこもりうた』

作:いわむら かずお 出版社:童心社

 

 

どこか懐かしい家族の温もりを感じられる「14ひき」シリーズ

《概要》

ねずみの家族は、10匹の子供にお父さんとお母さんとおじいちゃんとおばあちゃんの14ひきの大家族。今日も、夕焼けに染まる中、お父さんたちが帰ってきて、お風呂に晩御飯、最後は子守唄を歌って、お話をしたり、ご本を読んだり、14ひきのいつもの1日が終わります。

《おすすめタイプ》

性別を問わず3歳くらいから。

《おすすめポイント》

ねずみの大家族を描いた「14ひきの」は大人気のシリーズ。他にも、「14ひきのあさごはん」「14ひきのおひっこし」「14ひきのやまいも」などたくさん作品があります。

中でも、この『14ひきのこもりうた』は、本当にこのねずみ大家族のごく普通の一日の終わりを描いているところが、私のお気に入りです。大きなイベントも事件も何もない。でも、夕闇が迫ってくるお風呂の中でおじいちゃんの背中を流したり、ご飯の後でみんなで今日1日のお話をしたり、寝る前におトイレに行って歯磨きをしたり、そう言う一つ一つの行動に、繊細な感覚や季節感や時間の流れ、みたいなものが生きています。

今はおじいちゃんおばあちゃんも一緒に、こんな大家族で暮らしている方が珍しいでしょう。昔の日本では当たり前だったこんな光景が、今の子供には返って新鮮に映ると思います。『ちいさなねこ』 『ものうりうた』の記事でも書きましたが、古い昭和時代を感じさせる絵本って結構大事で、「パパやママやおじいちゃんおばあちゃんが小さかった頃の時代」に興味を持つことが、最初の「歴史の発見」に繋がるのではないか、と思っています。

柔らかな色調の絵もとても温かくて心が和むし、細部まで楽しめるところも好き。動物好きな子は、可愛いねずみに興味を惹かれることでしょう。それから、この作品の良いとっかかりは、なんといっても「こもりうた」です。

最後におばあちゃんが歌ってくれる子守唄。もちろん、他の絵本に出てくる歌のように、お母さんが出鱈目に節をつけても構いませんが、この本は、ご丁寧に見開きにその子守唄の楽譜を載せてくれています。ごく簡単な曲なので、ピアノなどを習っているお子さんとは一緒に曲を弾いてみても楽しいかもしれない。私のように音楽が苦手で、楽譜を見ただけではちょっと曲の感じが掴めない、、、と言う方には、今では便利なYouTubeの動画もあります(笑)音楽や歌は、絵本に興味を惹く大事なとっかかりになりますから、ぜひ、お子さんと一緒に聴いてみてはいかがでしょうか。

 

【育児本】 『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』 ②

 

 前回の記事の続きです。

この本で紹介されているのは単なる勉強法だけではありません。子ども時代に遊びの主体性やいろいろな人との出会いを大切にする、といった点も強調されています。3兄弟がわりばしピストルやミニ四駆の改造から、徐々にレベルをあげ熱中していったロボットづくり、家族全員で試行錯誤を重ねたキャンプ、ユニークな禅寺の和尚との出会いなど、面白いエピソードが満載です。そこには、子ども本来の好奇心や探究心を伸ばし、学習ということを多面的に捉えて知識を積む工夫があります

この教育方針はとても良いと思う反面、親の立場から実践するには中々難しいなあ、と感じる部分もありますね。著者は家庭教育の大切さを強調していますが、そうなると、問われるのは結局、お父さんお母さん自身の学ぶ姿勢であり、教養力になってくるからです。この本の「強烈なオヤジ」については、学歴や職業などについては具体的なことは一切書かれていませんが、教育産業に関わっていることや、思いつきにしろ自前で高校生向けの塾を開講できるところからして、ものすごく教養がある方だと推察できます。

大量のメディアを与えて教材にしたり、子どもの自主的な興味や好奇心を伸ばすように遊びの中で学ぶ機会を取り入れていく中で、親が気をつけるポイントとして以下のようなことが挙げられています。

・目利きとなって、最適な教材とその順番を選んであげる

・入門編は特に吟味をする

・ちょっと背伸びすれば手が届くというところに難易度を設定する

これを実践するためには、親自身が何よりそれらの教材や学習の内容やレベルや難易度について熟知している必要があるのです。

だから、最終的には、「子どもをどうするか」ではなくて、まず親である「自分自身が何をどう学ぶか」ということに集約されていくのかもしれません。自分自身、勉強が大嫌いで必要性を感じてこなかった親が、いくら子どもに「勉強しなさい」と言ったところで、説得力がないのは至極当然のことです。逆に、『「灘→東大理Ⅲ」の兄弟を育てた母の秀才の育て方』の「佐藤ママ」然り、この本の「強烈なオヤジ」しかり、私の高校時代の英語塾の「勉強大好き」な先生然り、常に自分が学ぶことに積極的な大人の姿を見て、子どもは自然と勉強の楽しさを実感するようになります。

だからと言って、「自分は勉強が好きじゃないから」とか「高学歴じゃないから」という理由で、親が諦める必要は全くないと思います。この本の著者が言っているように

一番シンプルな方法は、まず親であるあなたが「自分が素晴らしいと思っているものに、子どもをどうやったら出会わせることができるか?」という問いを立ててみることです。理科・社会・偉人伝でなくても、音楽やスポーツなど対象はなんでもいいと思います。子どもと共有したいものを思い描いてみれば、何を学ばせたいかは自然と見えてくるはず。

別に学歴や受験に直結するような知識や勉強だけが大事なわけではないので、他に素晴らしいと思っているものがあれば、それを子どもに薦めてみれば良い。もし、自分はあんまり勉強してこなかったけれど、大人になってからそれが大事だと気づいて子どもに薦めたいのであれば、まず自分が子どもに近いレベルで一から勉強することを始めてみたら良いのではないか、と思いました。それこそ、大量のメディアを使って自分の教養を底上げしていくと良いのではないかと思います。

付き合ってくれている、共有している、という感覚はやっぱり子どもにとって嬉しいもの。

この部分を読んでから、やっぱりそうか、と思い、思いついて買ったまま放置していた『まんが日本の歴史』を自分で読み始めました。私自身、子どもの頃に自宅にあった『まんが日本の歴史』を繰り返し読んで歴史好きになった記憶があります。ただ、買った時には上の子が小2で、まだちょっと早かったのか、「むずかしい」と言ってほとんど読みませんでしたが、まあ、いつか興味を持ってくれたらいいな、と思って子ども部屋に置いておいたものです。それが、私が黙って読み始めると、それをみていた娘も思い出したように読み始めたのです。細かい解説なんかは飛ばして読んでいるようですが、初めは面白そうなドラマ性のある部分だけ読んでいても全然構いません(私もそうでした)。私自身、歴史は結構得意な方なので、「今更小学生向けの『まんが日本の歴史』なんて」と思ってやや軽んじていましたが、改めて読むと、忘れていること、うろ覚えだったことが分かったり新しい気づきがあってやっぱり、親が興味を示すものには子どもは自然と反応するんだな、と実感した瞬間でした。

 

 

 

【育児本】 『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』 ①

 

 以前、ネットでこの方の記事を読んで気になっていました。タイトル通り「高校も塾も通わせずに3人兄弟が京都大学に合格した」と言う宝槻家のお話。ネットの記事でも、漫画や映画、テレビ特番などを徹底的に観て学習した、と言う独自の学習方法が取り上げられていて、面白いなあ、と思いました。私的には、塾と有名私立学校という超スタンダードな方法で3兄弟を東大に合格させた「佐藤ママ」より、こちらの方がよっぽどすごいしユニークだし、勉強法としても参考にしたい、と思ったのを覚えています。

親を全面に押し出してくる「佐藤ママ」とは違って、こちらの本の著者は「強烈なオヤジ」ではなく、京大に合格した長男の方。今は教育関係で起業をされているだけあって、前半は宝槻家の体験談や勉強方法などが中心ですが、後半は、これからの家庭教育についての考え方、進め方について語られています。

後半は後半でとてもためになりますし参考になるのですが、やっぱり強烈に印象的なのは前半の方(笑)と言うか、宝槻家の具体例を挙げてからの後半の一般論・抽象論が説得力を持ってくる、という構成ですね。

ネットの記事で読んだ時にも特に印象的だった学習法、それは

大量のメディアを教材にする ということです。

「まんが日本の歴史」や「まんが世界の歴史」『三国志』あたりは、まあ普通ですよね。サイエンス雑誌『ニュートン』に、漫画『おーい!竜馬!』、それからNHKスペシャル大河ドラマ、「プロジェクトX」「クローズアップ現代」「サイエンスZERO」「映像の世紀」「生命」「新・電子立国」といったテレビ番組、映画に至っては黒澤作品に加えて『ガンジー』『椿三十郎』『ニュー・シネマ・パラダイス』『レインマン』『アポロ13』に『スターウォーズ』など、もはや「これが勉強?」というジャンルの広さです。そうそう、「信長の野望」というテレビゲームも挙げられていました。

そして、もう一つ大事なのは、このような大量のインプットをした後、クイズを出したり、感想を話し合ったり、プレゼンしたり、という「アウトプットの機会」を作ること

こうした家庭教育を通じて「探究心(物事への興味関心を深めたいという気持ち)」「集中力」「記憶力」そして「基礎教養」が高められた、と著者は言っています。こうしたものが高校生になっていざ受験、となったとき、自主的に勉強する意欲と方法の大きな後ろ盾になるのではないでしょうか。

 

高校も塾も通わずに大学検定とオヤジが思いつきで開校した「プラトン塾」だけで京大合格を果たした受験勉強法もユニークです。

英語はひたすら音読と暗唱を繰り返す

国語は名文や好きな文章をとにかく書き写す

数学は歴史を織り交ぜながら立体的に公式を理解した後は、問題集を決めて何度も同じ問題を繰り返し解きまくる

というもの。効率良く点を取るための受験法とは全然違いますが(笑)ただ、私自身の高校時代の勉強法とかなりかぶる点も多くて納得しました。

国語については、とにかく得意科目ですし、「わざわざ勉強した」という記憶が全くない。良く言われるように、現文は読解力があれば自然とできるようになりますし、古文や漢文については、受験で取り上げられるパートはかなり限定的なので、有名作品の有名部分(いわゆる名文)を抑えておけば十分でしょう。

英語の勉強法が一番参考になる、というか、なるほど、と思わされました。この「音読と暗唱を繰り返す」のは「シュリーマンも実践した方法」だそうです『令和の中学受験』の記事で書きましたが、私が高校時代通っていた唯一の塾が英語の塾で、この英語塾は今思うとかなりレベルの高いものでした。母親と同世代の中年女性が一人で経営している塾で、この先生が津田塾出身のかなり変わった方で(笑)、まず何より「自分が勉強が大好きでたまらない」という感じでした。で、この塾の学習方法が、2年生までは熟語や構文を「音読と暗唱」で徹底的に叩き込み、いざ3年生になると、ひたすら長文を読みまくる、というスタイルだったのです。それも、受験用の長文問題、ではなくて、まずジョージ・オーウェルの『動物農場』を読み、3年生の夏休み以降は東大教養学部で使っているテキストを読みます。音読して訳す、の繰り返し。ジョージ・オーウェルの『動物農場』はかなりの長さの小説なので、20人くらいで分担しながら読んでいくと何ヶ月かかかります。先生お気に入りの『東大教養学部の英語テキスト』は、ゲーム理論から宇宙工学、ファッションや文芸まで、とにかく色んな分野の小論文やレポート記事なんかを集めたもので、日本語で読んでも良く分からないような専門用語がいっぱい出てきます。その専門用語の解説も英語で書かれているので、それを理解しつつ読み進めていく。「勉強大好き」の先生は、「まあ〜、なるほどー」とか「面白いですねえー」とか、いちいち感動しながら楽しそうに読み進めていくのですが、いかにせん、高校生にはかなりハイレベルな内容の上に、なんとなく受験と直接関係が無さそうなので、理系を目指す子を中心に、夏休み以降は徐々に脱落者も増えていきました(笑)でも、私は元々読書が好きだったので、この塾の3年生の授業はとても面白かったですね。文系受験では、英語の学力がかなり合格のキーとなるので、この「音読と暗唱を繰り返す」という勉強法は、かなり有効なのかな、と思います。幼児の英語教育も、今はやたら「会話重視」とか言いますが、結局たくさん「音読」させる方が効率良いのではないかな、と思っていて、我が子にも取り入れたいな、と密かに思っています。

数学については、私は高校になってから全くやっていないのでコメントできません(笑)ただ、理系でバリバリ数学をやりたい、というタイプは(自分とかけ離れていて)良く分かりませんが、宝槻家の数学勉強法は、文系の人には良さそうだな、と思いました。文系の人が数学をやっていてしんどいのは「文字ではないものを暗記する」「それを使って応用する」という部分です。前者については、歴史を交えながら覚えることで「意味があるもの」として覚えることで克服できる。「意味があるもの」として覚えたものを、何度も同じ問題を解くことで「パターン化する」できるので、自然と(受験に必要なレベルの)応用力はつく、という構図です。

 

 

 

 

【おすすめ絵本】 『たいようオルガン』

 

 

溢れる色彩と音楽で、子供の感性や表現力を刺激してくれそうな絵本。

《概要》

太陽がオルガン弾いて朝が来た。ゾウバスくんが朝日の中を出発して、旅をします。畑の丘を越え、街を越え、橋を渡ったり、海を渡ったりしながら、みんなゾウバスに乗ったり降りたり。途中雨が降ってきたり、夕焼けを見たりしながら、ゾウバスの旅は夜まで続きます。

《おすすめタイプ》

男の子でも女の子でも。3歳くらいから、とありますが、1、2歳の子が絵を眺めるだけでも楽しめると思います。

《おすすめポイント》

これも比較的新しい絵本です。作者の荒井良二さんは、山形県出身で日大芸術学部を卒業後、絵本を描き始め、『なぞなぞのたび』でボローニャ国際児童図書展特別賞を受賞、スウェーデンの児童文学賞の他、日本絵本賞、小学館児童出版文化賞など数々の賞を受賞。本書でも日本国際図書評議会(JBBY)賞を受賞しています。

とにかく隅々まで絵を楽しみたい絵本です。ゾウバスが、野原を、砂漠を、街の中を、橋の上を、海を、走る走る。1日の日差しの移ろい、天気の移り変わり、雨の香りや空の色まで五感で感じるように楽しめます。作者の荒井良二さん音楽活動を行っていることも有名ですが、この「たいようオルガン」を元にした合唱曲まであるようです。(Youtubeで視聴できます。こちら)ちょっと、クラシックだと重厚過ぎるというか、もっと軽快で明るいイメージな方が合うような気もしますが、この絵本が音楽を感じさせる、というのはよく分かる気がしますね。ゾウバスとかたいようオルガンといった自由な発想、ふんだんに使われた色彩、手書きの文字、子供の心そのままを表現したような世界で、文字や文章が分からない子供でもスッと入っていけます。

幼児が描いたような朴訥な絵なんだけれど、細部までこだわりがあって、夕焼け、海、雨の灰色、夜、など色彩のトーンが本当に豊かなので、色々な楽しみ方がで切るのも良いところ。ユニークな動物を面白がる子もいれば、砂漠や南国を思わせる風物に興味を覚える子もいるのではないでしょうか。ちなみに、うちの子供は、たこやいかや昆布まで出てくる海辺の道のシーンと、夕焼けのバザールようなシーンの2つがお気に入りです。私が好きなのは、中盤で雨が降ってくるシーン。ぜひ、何度も読んで、あ、こんなのもいる、あんなのもある、と新しい発見をしながら、お気に入りのシーンを探してみてください。

【おすすめ絵本】 『どうぞのいす』 

どうぞのいす』

作:香山 美子 絵:柿本 幸造 出版社:ひさかたチャイルド

 

 

 

小さい子でもストーリーを楽しめる、読み聞かせ初期に最適の本。可愛くて温かい色調の絵も素敵です。

《概要》

うさぎさんが小さないすを作りました。小さなしっぽをつけたいすのそばには立て札が一つ。「どうぞのいす」。そこへ、ろばさん、くまさん、きつねさん、りすさんが順番にやってきて、、、あれれ、みんなが「どうぞ」の気持ちを忘れずにいたおかげで、最後は、ろばさんのどんぐりが、いつの間にかくりに変わっていましたよ。

《おすすめタイプ》

1、2歳から。動物好きな子にもおすすめ

《おすすめポイント》

日本で100万部を超えたベストセラー、『ぐりとぐら』や『からすのパン屋さん』に並ぶ定番中の定番絵本です。

日本の出版社はひさかたチャイルドですが、うちで所蔵しているのはタイの出版社のもの。日本語とタイ語が併記されています。タイのバンコクでは、紀伊國屋で日本製絵本をたくさん購入できますが、タイ製で日本語も併記されている絵本というのは中々貴重です。この絵本も、紀伊國屋ではなく、なんと日系のスーパーで買いました。『どうぞのいす』が、いかに普及しているかが分かります。

『しゅっぱつ、しんこう』の記事でも書きましたが、柿本幸造さんの描く動物はとっても可愛くて、色調にも質感にも柔らかさと温かみがあって大好き。うさぎさんも可愛いですが、お目目くりくりのロバさんや賑やかなりすさん達も愛嬌たっぷりです。うさぎさんのいすには小さなしっぽがついていたり、初めから終わりまで密かにおこぼれを頂戴している食いしん坊の小鳥さんがいたり、細部まで楽しめるのも良いところです。

そして、前回の 『しんせつなともだち』でも書きましたが、この絵本も「くりかえし」のパターンが生きています。ろばさんはどんぐりを、くまさんははちみつを、きつねさんはパンを、りすさんはくりを持ってやってきて、「どうぞのいす」に置いてあるものを食べてから、自分のを置いていく。そのくりかえし。そして、最後の最後で、初めにろばさんが持ってきたどんぐりが、いつの間にかくりに変わってる?どんぐりってくりの赤ちゃんだったっけ?と、初めに戻る仕掛けになってきます。これも、2、3歳の子だと、「初めにろばさんがどんぐりを持ってやってきた」ということ自体を忘れてしまっていたりするので、ストーリーを追って体験する、良いトレーニングになると思います。

もちろん、みんなが「えんりょなくいただきましょう」と言った後で、ちゃんと次の人のために「どうぞの気持ち」を忘れずにいてあげる、その礼儀正しさと温かい気持ちも素敵です。そういう、お話自体が「素敵な気持ちリレー」で進行していくところも『しんせつなともだち』と似ていますね。

あと、どんぐりっていうのも個人的に好きです。どんぐりって、小さい子供は異常に好きじゃありませんか?私なんて、大人になっても好きなので、今でも見つけると意味なく拾ってしまいます。どんぐり。もう、これだけで子供のとっかかり十分なのではないでしょうか。『ぐりとぐら』の最初も、どんぐりとくり拾いから始まりますよね。「どんぐり」「パン」「ホットケーキ」「かぼちゃ」あたりは、日本の絵本の最高パワーワードですね。いつか、このテーマでの絵本紹介記事を書きたいなあ、と密かに思っています(笑)

 

【育児本】 『男の子の一生を決める決める0歳から6歳までの育て方』

 

このブログを始めてから、今まで完全スルーしていた本屋の「育児書」コーナーをよく覗くようになった私が、意外だったこと。育児書の中には「男の子向け」「女の子向け」という性別分けのものがかなり多いのだ、ということ。特に「男の子向け」のものが多い。

私自身は一男一女の母ですが、特に赤ちゃんや幼児の頃は、性別を意識して育児する必要を余り感じてきませんでした。自分自身が兄2人という男兄弟の中で育ち、男の子の友達が多く、周りに男しかいない紅一点という環境が至極当たり前だったこともあり、特に社会に出るまでは「男と女の先天的な差って基本的に無いのでは」という気持ちが根本にあったと思います。

社会的な性差ということを抜きにすると、「男と女」で分ける必要って本当にあるのか、特に、赤ちゃんや幼児の教育で性差を意識する必要があるのか?というのは、未だに私の中で大きな疑問として残っています。だからこそ、「男の子向け」の育児本を読んでみたくなりました。

と言っても何から読んでいいかよく分からないので、とりあえず今ジャンルの中で売れているらしいものを選ぶ、といういつものパターン(笑)

で、結論から言うと、、、

育児書として間違ったことが書いてあるわけではないけれど、この内容だったら別に「男の子向け」と断定する必要もないんじゃないか

という感じでした(笑)

まず何より、科学的根拠が全く示されてない。だから、まあ間違ってはないけど、なんか新しい発見とか納得感があるかと言うと、別に、、、と言う感じです。

著者は「キッズコーチング協会」なるものを立ち上げている方で、この本でも「12000人の子どもを見てきた」と言っています。それは嘘ではないでしょうが、この本はそういう「たくさんの子どもを見てきた」実体験と実感からのみ書かれた本なので、そう言う意味では、保育園や幼稚園の先生方とあんまり目線は変わらないというか、ものすごく当たり前のことしか書いてありません。

つまり、一般的に「男の子ってこういう子多いよねー」と言うコンセンサスが前提になっていて、科学的な原因や解決法は全く示されていないのです。

例えば、この本の一部を引用すると、、、

男の子は自分の興味あることにしか集中しない

男の子には「ダメ!」を言いすぎない

一人で遊んでいるときは集中しているとき。そっとしておこう

男の子は、、、って言うか、子どもはみんなそうだよね、っていう(笑)

「育てにくい男の子の特徴」としては、大体、こんなコンセンサスがあるのではないでしょうか。

発話が遅い、コミュニケーションが取りにくい、ひとつのことに異常に執着する、癇癪を起こしたり手が出たりしやすい、

確かに、私も子どもを産んでみて、自分の周りの子だけ見ていると、こういうタイプは確率的には男の子に多いかなあ、という気はしています。ママたちの間でも、一般的にはこう言うコンセンサスは共有されているし、この著者のように大勢の子どもを見た方も同じ印象なのでしょう。しかし、本当にそれが科学的根拠があることなのかはよく分からないし、女の子でもそう言うタイプはいるし、最終的には個人差に集約される部分もある。実際、うちの子どもだって、発話や歩行なんかの発育は確かに上の女の子の方が早かったけれど、下の男の子は喋り出したらまあ言語能力にはめちゃくちゃ長けているし、上の女の子の方が集中力やこだわりは強いし、なんとも一概には言えないよなあ、という気がしています。

「男の子ってこうだから」と言う一般的なコンセンサスに助長されているようなところもあるのかもしれないし、もう少し科学的かつ客観的なデータや根拠に基づいかないと何とも言えないよな、と言うのがこの本を読んだ感想です。

 

それに、正直、この本を読んで解決するレベルならば、わざわざ「男の子向け」の育児本を読む必要はないのでは、と思いました。先ほど挙げたようないわゆる「育てにくい男の子の特徴」が、とても顕著で、場合によっては発達障害とのグレーゾーンにあるような 男の子は確かにいます。傍から見ていても「大変だなあ」と思いますし、ちょっとやそっとの子育ての工夫くらいでは中々改善しなそうなケースもある。そういうケースで悩んでいるママには、余り「常識的」で「主観的」な子育て論は、「自分の育て方に問題がある」と言う負担になってしまう可能性もあるのので、もうちょっと違ったアプローチが必要かな、とも思います。

あと、この本で「男の子はお父さんに認められたい」「お父さんがお手本を示すのが大事」みたいなことが書いてあるのも気になりました。シングルマザーやシングルファザーとか、どうすんじゃない、みたいな(笑)共働きで子育てを完全にイーブンで分担しているような親とかも想定してないみたいだし。まだまだ「お母さんがメインで子育て、お父さんがメインで仕事」みたいな伝統的ジェンダー観というか役割分担を前提にしている。日本ではまだそう言う家庭が多いので、一般的な家庭向けの育児書を出す、と言うのは別に構わないのですが、仮にも「性別」にこだわった内容にしておいて、これだけジェンダー的問題に無配慮なのは今どきどうなの、と思ってしまいました。。。

なんか、悪口ばかりになってしまったので、最後に、参考になりそうなとこを引用(←とってつけた感 笑)

何をするにも大人がそのやり方に口を出してしまっては、大切な考える力が育ちません。子どもが何かの問題にぶつかったり困ったりして親に助けを求めてきたときは、同じ言葉を繰り返してあげて行動を「承認」してあげたり、感情を言葉に表してあげて「共感」してやると、自分で行動する力をサポートできます。

 

子どもに本当に必要なのは「良い」「悪い」の評価ではありません。誰かの自分の痛みをわかってもらえることなのです。

 

まずは「いいよ」と言って欲求を受け入れ、少し待てば欲求はかなうことを教えてあげるのです。

ポイントは必ず「いいよ」と一度受け入れたあとに、今すぐではなく少し待てる程度の具体的な時間や日にちをはっきりと言うことです。

 このあたりのことは、『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリオ教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が語る自分でできる子に育つほめ方・しかり方』に書いてあったことと共通しています。

特に,小さな子どもが親に相談したり訴えたりしてきた時,親は良かれと思ってアドバイスしたり指導したりしてしまいがちです。でも,親がそうすることで,親の「評価」「判断」「意見」を子どもに押し付けることになってしまう。そうではなくて,ただ子どもの言ったことを繰り返して共感と承認を示してあげるだけで,子どもが満足し安心して,自分で考えて解決しようとすう促す男の子女の子に関係なく,今の子育てにとても大事な視点だと思います。