受験にも知育にも興味ない 東大卒ママの育児日記

受験にも知育にも興味ないズボラな東大卒の二児の母が、おすすめの育児書や絵本を紹介したり、教育についての思いをつらつらと語ります

【おすすめ絵本】 『ぼくキャンプにいったんだ』

『ぼくキャンプにいったんだ

作:わたなべしげお 絵:おおともやすお 

出版社:あかね書房 くまたくんのえほん7

 

 

子どもが共感しやすいくまたくんシリーズ。今流行りのアウトドアに興味をもつきっかけにもなります。

<概要>

夏休み。くまたくんはおとうさんとおかあさんとキャンプに出かけます。それぞれ色んなものをワゴンに詰め込んでさあ出発!途中の道路の渋滞、波止場での休憩、テント張りに川遊びに飯盒炊さん。夜の焚き火もぜーんぶ、初めてのことばかりです。

<おすすめタイプ>

3歳ぐらいから。くまたくんシリーズの中では、少し文章が長めになります。

<おすすめポイント>

くまたくんシリーズは、迷子になったりプールに入ったり、小さい子どもが誰でも体験する初めてのあれこれを、可愛いくまたくんが再現してくれる楽しいシリーズ。書かれた時代も昭和で、どれもシンプルな内容ですが、小さな子どもの「あるある」をしっかり捉えていて、今読んでもとても新鮮で共感できます。

この『ぼくキャンプにいったんだ』でも、色々なキャンプ道具を準備するお父さんとお母さんの横で、ミニカーやらおやつやら自分の荷物を詰め込むくまたくん、松葉を絡ませて引っ張りっこをする<まつばずもう>を、「もっともっと」と何度もやるくまたくんの様子など、さりげなく上手く捉えていて、「うちの子と同じ!」と共感するママも多いのではないでしょうか。

キャンプにはいろんなものを持っていかなきゃいけないんだな、とか、電気が無いから川の水で冷やしたりするんだな、とか、キャンプの大変さを想像するきっかけにもなります。コロナの影響もあり、今はアウトドアブームです。小さい子供を連れての本格的キャンプは大変ですが、この本で興味を持ったら、まずは日帰りのバーベキューとか、手軽なグランピングとか、から初めて見るのもいいですよね。(実際、この本のキャンプはかなり昭和なキャンプなので、今はもっと色々便利になってます。)

キャンプの手順だけではなくて、例えば、海岸沿いの道から見たいつもとは違う電車を見つけたり、山の中のトンネルのごうごうという音、小さな魚を釣り上げた喜びと驚き、キャンプの静かな夜に響く梟の鳴き声や、お父さんの心臓の音、など、敏感な子どもの鮮やかな印象を表現してくれているのも、子どもが共感しやすいポイントだと思います。

作者の渡辺茂雄さんは、あの『エルマーのぼうけん』や『どろんこハリー』など、幾つもの名作絵本の翻訳を手掛けましたが、この『くまたくん』のシリーズや『しょうぼうじどうしゃじぷた』など、日本語の絵本もとても素敵です。他の『くまたくん』シリーズも是非お試しください。きっと、読んでいるママも、子供の「あるある」が発見できて、楽しい気分になれますよ。

赤ちゃんへの初めての絵本・迷ったらこれ!出産祝いのプレゼントにも最適なおすすめ絵本10選

  • 0歳児からの絵本、赤ちゃんの絵本を選ぶポイント

 赤ちゃんのファースト絵本選びは、ママにとってすごく重要ですよね。まだ子どもの趣味や個性も分からない、でも初めて出会う絵本との出会いは大切にしたい。今はすごく良い絵本がたくさんあって、それはそれでありがたいけれど、あり過ぎてどれを選んでよいか分からない!というママさん多いと思います。

子どもに読み聞かせる絵本選びのポイントは、「東大卒ママの子供に絵本を選ぶポイント4つを紹介」の記事でも紹介していますが、これはもう少し大きくなってからをイメージしてます。0歳児の絵本選びはまたちょっとポイントが違う。簡単にポイントをまとめると

 

1.カラフルな赤ちゃんの目を惹きつける絵

 子供にとって絵本の絵が大事というのは、大きくなってからも同じですが、0歳児はなおさらです。とにかくカラフルで形がはっきりして見やすく赤ちゃんでも分かりやすいものを選びましょう.

2.遊びの要素がある

 しかけ絵本はもちろん、ママと一緒に手遊びやスキンシップが楽しめる、とか、身近な食べ物や自然のものと触れ合うきっかけになる、など、五感を刺激する「遊び」に繋がる要素があると良いです。

3.持ち歩きやすくて丈夫

 赤ちゃんが自分で掴みやすいサイズの方が良いですね。お気に入りの絵本は、ベッドに持ち込んだり、お出かけ先に持って行ったりもするので、持ち歩きやすいのがベスト。あと、2歳くらいまでは、お気に入りになればなるほど、ページを破ったり噛み付いたりするので、丈夫なのも実は大事なポイントです(笑)特に、ファースト絵本は、ページが硬めの破れにくいものを何冊か用意しておきましょう。

赤ちゃん向けの絵本、今は良いものが本当にたくさんありますが、実際に読んでみて、うちの子ども達も大好きだった絵本ベスト10を選んでみました。

  1. 『しましまぐるぐる』

 

 これはとにかく、赤ちゃんの「目を惹く」ことが最優先されてます。「しましま」と「ぐるぐる」という音の反復も面白いので、まだ言葉やストーリーには興味を持てない月齢から楽しめます。ページは赤ちゃん用のハードなものなので、ファースト絵本にぴったり。

 2.『かおかおどんなかお』

かお かお どんなかお

かお かお どんなかお

  • 作者:柳原 良平
  • 発売日: 1988/01/10
  • メディア: ハードカバー
 

 

 赤ちゃんの真っ先に覚えるものはお母さんの顔、とよく言われますよね。私も、自分の子どもにこの本を見せた時、赤ちゃんはこんなにも人の顔に興味を示すのだな、とびっくりしました。感情によっていろんな表情がある、ということを学ぶにもとても良い本。

 

 3.『じゃあじゃあびりびり』

 

まついのりこさんの絵本は定番中の定番ですが、やっぱり手元に置いておきたい一冊。絵の色と形、いろんな音、赤ちゃんの惹きつける要素がたっぷり詰まっています。出てくるものが多岐にわたっているので、どんな子でも何かしら「お気に入り」が見つかるのも良いところ。

 

4.『やさいさん』 

やさいさん (PETIT POOKA) 0~3歳児向け 絵本

やさいさん (PETIT POOKA) 0~3歳児向け 絵本

  • 作者:tupera tupera
  • 発売日: 2010/07/20
  • メディア: 単行本
 

 開くとやさいさんが飛び出てくるしかけ絵本。土からのぞいている葉っぱの形で、このおやさいは何かな、、、なんてクイズみたいに遊びながら絵本を楽しめます。今の子供は、野菜の原型を目にすることって意外と少ないので、お芋さんはこんな風に土の中に埋まってるんだね、とか、3歳を過ぎても勉強になる内容で、長く楽しめます。

 

5.『くだもの』

くだもの (幼児絵本シリーズ)

くだもの (幼児絵本シリーズ)

  • 作者:平山 和子
  • 発売日: 1981/10/20
  • メディア: 単行本
 

 おやさいの次はくだもの。『やさいさん』にも同じ『くだものさん』のシリーズがありますが、こちらは昔ながらの定番の絵本です。とにかくリアルなくだものの絵が赤ちゃんの目を惹いてくれること間違いなし。くだものは、おやさいと違って、離乳初期からそのままの形を目にすることが多いので、赤ちゃんにとってはとても身近で興味を持ちやすいものなんでしょうね。

 

6.『ぶーぶーぶー』

ぶーぶーぶー (0.1.2.えほん)

ぶーぶーぶー (0.1.2.えほん)

 

のりもの好きな赤ちゃんにはこれ。乗り物というと男の子、と連想してしまいがちですが、赤ちゃんの頃の興味は性別には全く関係ありません。うちは、下の男の子よりも上の女の子の方がこの本お気に入りでした。 「ぶーぶーぶー」という赤ちゃんでも聴きやすい音が楽しいこの絵本は、色や数を学ぶのにも役立つので、とてもおすすめです。

 

7.『おつきさまこんばんは』

 絵本の名作家、林明子さんの定番中定番です。『かおかおどんなかお』を見ても分かる通り、赤ちゃんはお顔が大好き。この絵本も、リアルなお月さまのお顔の表情に自然と子どもの興味が惹きつけられます。月と雲、夜空、など、自然や時間の変化と様子が感じられるのも大事です。「おつきさまが雲に隠されてしまってどうしよう?」と、短いドラマとストーリー性が盛り込まれているのも、絵本の手始めにぴったりです。

 

8.『どんどこももんちゃん』

どんどこ ももんちゃん (ももんちゃん あそぼう)
 

「どんどこどんどこ」というユーモラスな音と共に、どんな障害物にも負けず突き進むももんちゃん。読む言葉はとても少ないのですが、可愛いももんちゃんがこんなに頑張って走っているのはなぜなんだろう?というところから、最後にママの胸に飛び込むまで、小さな子どもでも「共感」と「ストーリー」 を体験できる仕組みになっています。

 

9.『しろくまちゃんのほっとけーき』

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)

 

こちらも定番、「こぐまちゃんとしろくまちゃん」シリーズ。「こぐまちゃんとしろくまちゃん」は、日本版ミッフィーちゃんとも言うべき、可愛くてどこかシュールな(笑)キャラクターが親しみやすい人気の絵本です。0歳児の赤ちゃんにはストーリーが少しむずかしく感じるかもしれませんが、かわいいこぐまちゃんやしろくまちゃん、ホットケーキを焼いてひっくり返す様子など、お気に入りの絵を見つけて眺めているだけでも楽しいと思います。

 

10.『だるまさんが』

だるまさんが

だるまさんが

 

 ファースト絵本としてすっかり定番になった「だるまさん」シリーズ。とにかくユーモラスな絵と、言葉や音遊びが楽しい。大人しく座って本を読んでもらうのが苦手な子でも、遊び感覚で絵本と触れ合うことができる良いきっかけになること間違いなし。

 

  • 出産祝いにも絵本は人気

  1. 先輩ママからの絵本プレゼントがとても役だった

 最近では、出産祝いに絵本を贈るのが人気だそうです。そう言えば、つい先日も、まだお子さんがいないお友達から「出産祝いに絵本が欲しいと言われたのだけど、どれが良いか教えて欲しい」と相談を受けました。私自身、出産祝いで一番重宝したのは、おもちゃよりベビー服より、先輩ママからの絵本プレゼントだったな、と思います。本が好きな人でも、自分で読んだ本の記憶はあっても、赤ちゃんに読み聞かせするような絵本はもちろん覚えていないし、どれが良いのか全く分からないものです。実際に赤ちゃんが産まれてしまうと、お世話に忙し過ぎて、絵本の情報まで手が回らない。出産祝いに絵本って実はとてもありがたいのです。

 

2.出産祝いに絵本が最適な理由

 出産祝いに絵本が最適な理由は他にもあります。基本、子どもの絵本は色々試してみて好きなのを選ばせるのが良いのですが、赤ちゃんのファースト絵本だけは、図書館で借りたりするのではなく自己所有した方が良いのです。なぜなら、赤ちゃんのうちは、とにかく絵本を口に入れたり、汚したり破ったりするリスクが高いから。図書館で借りた本だと衛生的にも気になるし、破ってしまったらどうしよう、と気になってしまいますよね。なので、ファースト絵本がいつも手元に何冊かある、というのはとても大事なことなのです。

 

3.人気だけにかぶりやすいから確認した方が良いかも

最近では、出産祝いに絵本が人気なので、人とかぶってしまうリスクもあります。2人目以降のお子さんの場合には、定番の絵本はすでに持っている、ということも考えられます。もし親しいお友達であれば、出産祝いに絵本を贈ろうと思っているのだけどどうか、どんな絵本が良いか、など確認した方が良いかもしれませんね。確認はできないけれど、どうしても人とかぶってしまうのを避けたい、という場合や、2人目以降のお子さんで定番の絵本は避けたい、という場合には、<番外編>を参考にしてみてください。

  • <番外編>人とかぶらない絵本のプレゼント

先に挙げた10選は、どれも大人気間違いなしの定番絵本なので、良いことは良いのですが、他とかぶったり、既に持っている可能性があります。人とかぶらない絵本プレゼントでおすすめなのは、ズバリ「英語の絵本」です。海外ならではのカラフルで独特の絵や、赤ちゃんが興味を惹きやすい英単語が楽しめる海外製の絵本も良いですし、日本の定番絵本を英訳したものもおすすめです。日本の定番絵本を英訳したものは、元々の日本語版を読んだことがある場合に、比較しながら自然と英語の勉強ができますので、とても良いですよ。手に入りやすいものを5冊セレクトしてみました.

 

1.『Dear Zoo』

 世界中で200万部以上を売り上げている名作です。ストーリーは0歳児にはちょっと難しいので、初めは動物の絵を指さしながら、英語の名前を聞かせてあげるだけでもいいと思います。

Dear Zoo (Dear Zoo & Friends)

Dear Zoo (Dear Zoo & Friends)

 

 

2.『No  David!』

いたずらっ子坊やのデイビッドが、次々いけないことをして「No!」と言われる。でも最後には親からの「I  love you」が出てくる、子どもならみんな共感できるストーリーだと思います。「No」の意味を覚えるにもいい。絵が外国らしいカラフルでダイナミックなタッチなので、赤ちゃんの目にもインパクトがあります。

No, David!

No, David!

  • 作者:Shannon, David
  • 発売日: 2018/06/26
  • メディア: ペーパーバック
 

 

3.『Goodnight Moon』

 アメリカで1000万部を超えて読み継がれている、名作中の名作。マーガレット・ワイズ・ブラウンの、温かさとポップさの入り混じった絵がとにかく素敵。子どもの気持ちと視点に寄り添った絵本で、赤ちゃんから長く楽しめる絵本です。

Goodnight Moon

Goodnight Moon

 

 

4. 『The Very Hungry Caterpillar』

ご存知『はらぺこあおむし』の英語版。日本語版は、幼稚園や保育園でもきっと触れる機会がありますから、それと比較しながら英語版を読むのも楽しいと思います。

 

The Very Hungry Caterpillar board book

The Very Hungry Caterpillar board book

 

 

5. 『Guri and Gura

 こちらも、定番、どこかできっと出会う『ぐりとぐら』の英語版。赤ちゃん向けの本に比べると、英語は少し難しくなりますが、日本語版と比較しながら読めるので、長く楽しめます。

Guri and Gura (Tuttle for kids)

Guri and Gura (Tuttle for kids)

 

 

  • ファースト絵本選びで参考にしたい記事、サイト

最後に、ファースト絵本選びで参考になるサイトや記事をまとめてみましたので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

1.絵本情報ナンバーワンサイトの『絵本ナビ』

 0歳赤ちゃん向け絵本

2.子育て情報サイト『ママリ』の口コミ大賞

 おすすめ0歳向け絵本部門 2021

3.小学館知育情報サイト『Hug Kum』

   乳児(0歳・1歳)におすすめ絵本57選

4. はむさんのブログ『おやこえいごびより』

 赤ちゃんにおすすめの英語絵本10選

 

 

【おすすめ絵本】 『ブタヤマさんたらブタヤマさん』

 

ブタヤマさんたらブタヤマさん』

さく:長 新太  出版社: 文研出版 えほんのもり

ナンセンスの王道ブタヤマさんシリーズ。シンプルでシュールで、小さな子供も大喜び

<概要>

ブタヤマさんは蝶とりに夢中。蝶にばかり気をとられて、後ろから何が近づいてきてもちっとも気付きません。そんなブタヤマさんの背後では、巨大なお化けから蛇まで、次々と恐ろしい物が迫ってきます。危ないブタヤマさん!でも、ブタヤマさんが振り返ると、、、あれ、なーんにもいません。

<おすすめタイプ>

3歳くらいから。普段あまり絵本を好きでない子供でも読みやすい。

<おすすめポイント>

長新太さんの絵本は、『おしゃべりなたまごやき』や『つきよのかいじゅう』のようなストーリーの面白い本を読んだことがあったのですが、ナンセンスの王道『キャベツくん』のシリーズは、長らく読んだことがありませんでした。

子供が幼稚園で借りてきたので、あまり気が進まず『キャベツくんとブタヤマさん』を読んであげたところ、もう上の娘も下の息子も大ウケ!!あんまり笑い過ぎて興奮してしまうので、寝る前の読み聞かせには向いていない、、、と反省したくらいでした。

『キャベツくん』シリーズはとにかくシュールでナンセンス。大人からすると「何それ!」と呆れたくなるような世界観ですが、それが、小さい子供にはとにかくウケる。まあ、Eテレの「おかあさんといっしょ」のお歌の世界観とかも、大人からしたらある意味「そんな支離滅裂で大丈夫?」とか思ってしまいますが、子供は大好きですもんね。小さい子供の自由で想像力豊かな世界を、大人の常識で縛ってはいかん!(ものはいいよう)と言うことで、私も、自分の文学的趣向はグッと抑えて、子供たちの大好きな『キャベツくん』シリーズを読むようになりました。

その中でも、この『ブタヤマさんたらブタヤマさん』は、比較的シュールさは抑えられていて、シンプルで分かりやすいので、初めてお試しするにはおすすめの一冊。「いや、そのばかでかいセミは、なんなんw(by藤井風)」とか、突っ込みたくなるくらいにはシュールですけどね(笑)

後ろから、とんでもない化け物が迫ってきているのに気づかないブタヤマさん、でも振り向くと消えてしまう、、、という、ひたすらベタな展開。昔懐かしいドリフターズ「8時だよ、全員集合!」の「志村、うしろーー!!」と同じ、子供が大好物の馬鹿馬鹿しさです。(知ってるママさん、どのくらいいるかなあ、、、年がバレる笑)

 

バカバカしかろうが、はちゃめちゃだろうが、子供が興味を持ってくれるのが一番!もし、この『ブタヤマさんたらブタヤマさん』で大笑いしてくれたら、ぜひ他の『キャベツくん』シリーズもお試しください。そのシュールさ、案外、大人も虜になってしまうかも。

【育児書】 『小児科医の僕が伝えたい 最高の子育て』 その2

前回の記事の続きです。

「自己肯定感とほめ方」の他に、個人的に面白かったのは、厄介な子供の思春期について触れた章と、「まばたき」の重要性について触れた章。

備忘を兼ねて引用しておきたいと思います。

遺伝子が激しく“点滅する“時期が思春期です。たとえばそれまで眠っていた性ホルモンの遺伝子が急に明るく輝きだすのです。いわば「人生最大の遺伝子イルミネーション・ショータイム」です。

自分の反抗期が我ながら酷かったので、今は可愛い盛りの我が子の行く末もある程度は覚悟しているのですが、それでもきっと、実際に思春期の我が子と向き合うのは大変なことでしょう。

心が折れそうになったら、先生のこの言葉を思い出して、

「It’s a show time!!」と心の中で叫びながら静観できるようにしたいと思います。

「まばたき」については、オバマ元大統領が、スピーチ中にまばたきが多いと指摘され、修正するトレーニングを受けたこと、などを例に挙げ、相手の心を落ち着かせたり、説得力を増したりするのに、「ゆっくりまばたきする」重要性を語っています。

たかが、まばたきなのですが、意識して「ゆっくり」やってみると、目力がつくというか、「このひとになら、ほんとうの気持ちを話してもいいかな」と思わせるなにかが宿るかもしれません。反対にぱちぱちとまばたきをくり返すと、相手に不信感、不安感を与えるものです。(略)

妻がゆっくりとまばたきをしながらぼくの話を聴いてくれると、仕事の疲れもしがらみも、すうっとほどけていきますね。大人の男でもそうなのだから、子どもたちにはもっと効くのかもしれませんね。ぜひ、子どもとの関係に行きづまったら「ゆっくりまばたき」をお試しください。もしかしたら、子どもたちだけでなく、おとうさんにも喜んでもらえるかもしれませんよ。

そう言えば、『モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリオ教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達心理学博士が語る自分でできる子に育つほめ方叱り方』(だからタイトルが長いってw)でも、後半で「アクティブ・リスニング」に触れていて、「アクティブ・リスニング」の4つのポイントの一つとして「ボディ・ランゲージ」の重要性を挙げていました。大人であっても、コミュニケーションは言葉以外の要素が50%以上を占めると言われますから、子どもとのコミュニケーションでは、「ボディ・ランゲージ」がいかに大切かが分かります。

自分のまばたき、意識したことなかったですが、せっかち早口な私は、もちろんパチパチせわしなくまばたきしていることでしょう、、、「呼吸」と「まばたき」はコントロールが難しいですが、だからこそ、常々意識して、焦らずゆっくりと心がけることで、子どもの心の声を聞くゆとりを持てる自分でありたいなあ、と思いました。

【育児書】 『小児科医の僕が伝えたい 最高の子育て』 その1

このブログを始めるまで、育児書というものを全く読んだことがなかったのですが、この高橋孝雄先生は、偶然ネットで見かけたコラムがとても良かったので印象に残っていました。

我が家には明確な育児や教育方針とかもなく、自分の行き当たりばったりの人生と同じく、行き当たりばったりに子育てしているしょうもない母親な私です。でも、この記事は、そんな私が普段漠然と思っていたことを小児科医の先生が明言してくれたような気がして、それ以来、何度か読み直すようにしています。(記事はこちら

高橋先生は、慶應義塾大学医学部小児科教授で日本小児科学会の会長も勤める権威。慶應の医学部卒業後、米国マサチューセッツ総合病院小児神経科ハーバード大学医学部の神経学講師も勤めた経験もある。と聞けば超超エリートなお医者様なわけですが、ご自身は、4歳の時に病気で父親を亡くし、母子家庭の生活保護世帯で育った、ということも著書で明らかにしています。

高橋先生が言っていることは、要約してしまうと、

「その子の生まれ持ったものを大切にする」

とか

「お母さんの笑顔や満足感を優先しましょう」

とか、最近巷に溢れる「スピリチュアル系ママチューバーみたいな人」(何それ?)の主張と大差ないのですが、重病難病を抱えたたくさんの子供達を診てきたであろう小児科医から言っていただけると、なんか説得力が違うというか、より心の支えになるというか、、、なんか、権威主義的ですいません(笑)もちろん、中には「スピリチュアル系ママ」の方が信頼できる!という方もいると思いますし、それは好き好きですけどね。

早期教育は意味がない」

とか

「自分の理想像を子供に押し付けない」

とか、頷けるところはたくさんありますが、中でも私が一番共感した部分は

「とにかく自己肯定感が一番大事」

というところ。

子供の育児や教育方法について、突き詰めて考えたわけでなく、ぼんやりと考えただけの私ですが、結局、親が子供を育てる上で最も力発揮できるというか、協力できるところは、とどのつまりこれ、しかないのではないかと。

正直、この他に将来的に子供に必要となる能力、なんて、凡人の私には全く思い付かない。はっきり言って、10年先どころか、5年先の未来だって全く予想つかないんだもん!

英語?もしかしたら中国語の方が必要になってるかもしれないよ?そもそも、コロナでグローバル化がこんなにも後退するなんて、昨年まで誰も思い付かなかったよね?戦争でもあれば、なおさらのこと。大体、英語がネイティブの人と圧倒的な差があるところだけで勝負するのって本末転倒じゃない?

プログラミング?ネット上の流行なんて2、3年スパンであっという間に変わってしまう。この技術なら、この言語ならこの子が大人になっても大丈夫だなんて言えますか?当たり障りのない汎用性の高いものなら、誰でも身につけられるし。

現在では、単に日本の大企業への就職のための指数となっている「学歴」については言う間でもなく、、、

もちろん、「身につけても無駄だ!」と言っているわけではなく、「これなら大丈夫!」とか「これだけは身につけてほしい」と思える能力ではない、ということです。

で結局、もし敢えて「これだけは身につけてほしい」という能力を挙げるとしたら、「自己肯定感」しかないのでは、、、と、安直な結論に落ち着いているわけです。高橋先生は、この他に「意思決定力」と「共感力」を挙げています。もちろん、この2つもとても大事ですが、それすらも「自己肯定感」が無かったら、十分に生かされないのは明らかで、、、やっぱり、「自己肯定感」が一番重要だと。

と言っても、「自己肯定感」をどうやって育むのか、というのがまた問題。

高橋先生は、「遺伝の力」=「その子の生まれ持った力」の重要性も強調していますが、この部分もある程度は子供の特性に左右されそうです。親が後からしてやれることと言えば、、、やはり、「褒める」「その子の良さや本当にやりたいことを肯定する」「愛されていると実感させる」ことぐらいでしょうか。

こういうのも、口で言うのは簡単ですが、実際に日々の育児の中で実践していくのは難しいもの。子供の特性や本当にやりたいことって何?、それをどうやって伸ばしたらいいの?そもそも、幼児期の子供の「やりたいこと」なんて、危ないか、散らかすか、壊すかで、肯定なんてできません!と言いたくなりますよね(笑)子供の興味を持っているものが「これ?」って微妙な感じで、一体、どうやって伸ばせばいいのよ、、、と途方に暮れたり。

なので、特に子供が小さい時には、とにかく「褒める」のが一番確実で手っ取り早いのかなあ、と思います。高橋先生も、この本の中で「褒める」重要性について何度も言及していて、良い言葉だったのでご紹介しておきますね。

日常的に叱り続けると、彼らは耳をふさぐか聞き流します。「叱る」のではなく「教える」ことが基本です。いざというときにひとつ叱るためには、9回はほめておいてください。忍耐強くほめ続けることで、お子さんはひとの話に耳を傾けたいと思うようになります。これは共感力を養ううえでも大事なことです。

お金をかけずに学力を上げるには、とにかくほめること。たとえば、九九の暗唱でなかなか七の段から先に進めなかったとします。そこで叱ったりしないで、完全にクリアーしている二の段、三の段を唱えてもらって、「すごいね」「さすがだね」とほめるのです。そうするうちに、だんだんその気になってくれますよ。テストの点数も、たとえ30点だったとしても、正解したことをほめる。子どもをほめるのに、お金はかかりません。

本の内容自体は、前述の記事と重複している部分も多く、概要だけなら記事を読むだけで十分かな、とも思いますが、理想は分かっていても、毎日の子育てでは高邁な初心はいつの間にか消え失せて、つまらないことで子供を叱ったり、せかしたり、イライラしてしまう、、、というのも、どの親も同じと思いますので、手元に置いてたまに読み返すのもいいかなあ、と。

【おすすめ絵本】 『むしたちのうんどうかい』

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むしたちのうんどうかい』

文:得田之久 絵:久住卓也 出版社:童心社

虫の大好きな子供にぴったり。子供が大好きな「うんどうかい」を追体験できる楽しさ。

<概要>

今日は虫たちの運動会。トノサマバッタの園長先生の挨拶と共に、応援合戦、かけっこ競争にとびっこ競争、玉入れに綱引き、創作ダンスまで。虫たちの個性を生かした楽しい楽しい運動会の始まりです。

<おすすめタイプ>

生き物好き、虫好きな子供。初めて運動会を経験する3、4歳から。

<おすすめポイント>

運動会は、大体どこの保育園や幼稚園でも開催される最もメジャーなイベント。その運動会のすごくベーシックな形を、虫たちがそれぞれの個性を生かして再現する、というところが、この本の面白いところです。

夏のセミたちと秋の鈴虫や松虫などの虫たちの応援合戦に始まり、かけっこのスタートの合図はピストルではなく、ミイデラゴミムシのオナラ。かけっこで早いのはキリギリスだけど、とびっこ競争で速いのはギンヤンマ。玉入れの玉はなんとダンゴムシで、創作ダンスはちょうちょとカマキリ、綱引きの最後はハサミムシが力を入れ過ぎて綱を噛み切ってしまい・・・と、ユニークなエピソードを追いながら、運動会の競技や流れがしっかり再現されています。

これから初めての運動会、という子供には、良いイメージトレーニングになりますし、運動会を経験したばかりの子供には、自分たちと同じ運動会を虫たちがやっている!と、振り返りながら楽しい追体験ができます。運動会をとっかかりにして、「運動会ってこんな風かな?あんな風かな?」とイメージを膨らませたり、「玉入れや綱引きはまだやったことがないけれど、こんな競技なんだ!」「年長になったり小学生になったりするとどんな風かな?」と、想像を広げながらお話しすると楽しい。

それぞれの虫の個性を生かしたエピソードがたくさんあるので、生き物好きな子には、「ケラって土の中にもぐっちゃうの?」「オオムラサキはちょうちょだけどお花の蜜ではなくて樹液を吸うんだね」などなど、虫の生態を調べるきっかけにもなりますね。

コミカルな絵もとっつきやすいですし、短い割りに広がりができる中身の濃さがあるので、普段絵本にあまり興味の無い子にも、是非一度試して欲しいおすすめの絵本です。

【おすすめ絵本】 『おやすみなさい、おつきさま』

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おやすみなさい、おつきさま』

さく:マーガレット・ワイズ・ブラウン え:クレメント・ハード

やく:せた ていじ 出版社:評論社

アメリカで1000万部を超えて読み継がれている名作。子供気持ちと視点に寄り添っ絵本。

<概要>

大きな緑のお部屋の中で、これから眠ろうとしているウサギの坊や。お部屋の中のもの、窓から見えるもの、一つずつおやすみなさいを言いながら、いつの間にか夢の中へ。

<おすすめタイプ>

 0、1歳児の赤ちゃんから。言葉が簡単なので、字が読めるようになったら自分で読み始めるのにもぴったりです。

<おすすめポイント>

アメリカの絵本作家マーガレット・ワイズ・ブラウンの代表作。マーガレット・ワイズ・ブラウンは、この他にも、同じクレメント・ハードの絵による『ぼくにげちゃうよ』やガース・ウィリアムズの絵による『ちっちゃなほわほわかぞく』など、名作をたくさん残しています。江國香織さんが大好きな絵本を紹介した『絵本を抱えて部屋のすみへ』でも、マーガレット・ワイズ・ブラウンを取り上げ、ご自身でも『うみべのおとのほん』の翻訳を手掛けているほどのお気に入りです。

ワイズ・ブラウンの絵本は、まさに「安心」そのものだ。読むことで心がしずかに落ち着くし、温かくて栄養のあるもので満たされる気がする。(略)魂の帰る場所がある、ということだと私は思う。(略)ワイズ・ブラウンの文章には無駄がなく、絵本の言葉にふさわしい洗練をされていて、とても詩的だ。

『絵本を抱えて 部屋のすみヘ』 江國香織

まず、暖かな暖炉が燃え、虎の皮の敷物や赤い風船のある、どこか古めかしさとポップな色調が同居した不思議なお部屋の様子が、子供の目を惹きつけます。視点が少しずつ変わって、部屋のあちこちに移動する様子が、ベッドにいるウサギの子供になり変わったように体験できます。部屋の全体を見渡したと思ったら、テーブルの上のおかゆやブラシにおやすみなさいを言ったり、お部屋の中の見えない誰かにおやすみなさいを言ったり、おばあさんのささやき声が聞こえたり、子供の視線に寄り添った不思議な臨場感が味わえるのがこの本の最大の魅力だと思います。

お部屋のもの一つ一つにおやすみを言っているうちに、こちらまで眠くなってくるので、おやすみ前の読み聞かせにもぴったりです。